WBC選出 阪神・中野 二塁も遊撃も代走も“三刀流”任せろ「最高のパフォーマンスができれば」

[ 2023年1月27日 05:10 ]

侍ジャパン全30選手決定

決勝ラウンドが行われる米国の地を指差す中野
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 WBCメンバーに選出された中野(阪神)は、本職の遊撃手、今季阪神で起用される方針の二塁手、ここぞの代走の“三刀流”で世界一に貢献することを誓った。

 「(二塁、遊撃の)どちらも経験しているので不安はない。(阪神では)途中から出る経験はあまりないが、周東さんもいるし、代走で行く上での心得を聞きながらやる」

 持ち前のスピードとユーティリティー性に、栗山監督からも高い期待を寄せられる。「チームでは今年、二塁一本と言われているが、しっかり遊撃の練習もやって両方頑張る」。併殺時の切り返しや二塁ベースの踏み方など、体の動きは逆になる。だが言い訳はしない。頂点をつかむためなら、何だってやる。

 背番号は「7」を選んだ。タテジマでの「51」は「鈴木誠也さんとかぶっていた」。残る候補から「1桁で、普段つけたことのない番号をつけてみたい」とセレクト。くしくも昨年11月の強化試合で同期入団の佐藤輝がつけた番号。選出時には祝福メッセージをもらったそうで「(番号継承は)意識してないけど、テルの分も頑張りたい」と力を込めた。

 中野の脳裏に焼き付いて離れない、WBCの名シーンがある。13年の2次ラウンド台湾戦、1点を追う9回2死一塁から鳥谷が決めた決死の二盗だ。「鳥谷さんのように、大事な緊迫した場面で盗塁を決められるように頑張る」。求められる、ここぞの快走。しびれる状況で塁を盗み、侍の勝利を引き寄せる。
 「小さい頃からの夢だった。しっかり日本のために、自分ができることを頑張りたい」

 当時12歳の拓夢少年は、朝からテレビに釘付けになった。09年のWBC。韓国との決勝戦で延長10回にイチローが放った勝ち越し打に歓喜し、大志を抱いた。「侍ジャパンとしてプレーしてみたい」――。あれから14年。「最高のパフォーマンスができればいい」。国の威信をかけた決戦の場で、中野が躍動する。(八木 勇磨)

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2023年1月27日のニュース