阪神・西純 マエケンからツーシーム伝授された 憧れ右腕と同じ4年目飛躍へ「貴重な経験になりました」

[ 2023年1月9日 05:15 ]

昨年の12月上旬にツインズ・前田健太と合同自主トレを行った西純矢(提供写真)
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 阪神・西純矢投手(21)が、憧れを抱く前田健太投手(ツインズ=34)からツーシームを伝授された。昨年12月上旬に都内での合同自主トレが実現。日米通算156勝右腕からの金言を手に、大躍進の4年目へと向かう。

 躍進のきっかけを確かにつかんだ。昨年の12月上旬、西純はツインズ・前田の下に弟子入りし合同自主トレを敢行。現役16年で日米通算156勝を挙げている右腕と過ごした5日間は、濃密なひとときだった。

 「自分自身にとってめちゃくちゃ大きい期間でした。メジャーでずっとやられている方。貴重な経験になりました」

 期間中は朝から体幹やウエートトレーニングを中心としたメニューを消化。練習の最後には毎日キャッチボールを行い、高めへの抜け球をなくすための助言を授かったという。「リリース時にボールを押し込んで投げるイメージで」。悪癖を克服するためのすべを身につけつつある。

 もっとも感銘を受けたのが、ツーシームについて教わったことだった。昨季の被打率は10打数4安打のジャスト4割。10月13日のCSファイナルS第2戦では、5回1死二塁からオスナにダメ押し2ランを被弾した。西純は言う。

 「ツーシームはリリースの時に腕をひねって、右打者の内角低めへ落ちるイメージで投げていたんですけど精度が悪かった。テイクバックの時に腕をツーシームを投げる形にしておいて、投げるイメージの方がいいんじゃないかと」

 前田といえば切れ味鋭いスライダーを連想させるが、ツーシームも自在に操る。超一流の選手らしく、伝え方も簡潔明瞭。だからこそ「教えていただいて、今まで自分が感じていたものと全く別の感覚になった」と短期間での成長を感じ取ることができた。

 思えば、前田が初の2桁勝利を挙げたのは10年の入団4年目だった。先発の柱として15勝をマークし、防御率は2・21。最多勝、防御率1位、最多奪三振の投手3冠を達成し、沢村賞にも選出された。今季はその4年目。尊敬する右腕に自らの姿を重ね合わせるだけで、話ぶりも自然と熱を帯びてくる。

 「僕もそうなりたいし、その思いはあります。去年で勝つことの大変さは分かりました。逆に何をしたら勝てるのか、というのも分かった気がします」

 6個の白星を積み重ねた昨季はその分、プロの世界で生きていくことの難しさを知った。前田イズムを注入された今季。大ブレークへの下地を、着実に整えつつある。(石崎 祥平)

 《昨季の投球使用率低く》○…西純(神)の昨季全1138球中、ツーシームは全体の3・7%にあたる42球。これは全6球種中5番目と少ない。さらに2ストライク後に投げたのはわずか6球しかなく、シーズン308球のうち1・9%と決め球としての認識も低かった。なおツーシームの被打率は10打数4安打の・400。10打数以上の5球種の中で最も高かった。

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2023年1月9日のニュース