楽天 代打の銀さん、匠の9回V撃!「良い“詰まり”」成功率驚異の・727

[ 2022年5月27日 05:30 ]

交流戦   楽天1―0阪神 ( 2022年5月26日    甲子園 )

<神・楽>9回2死一、三塁、銀次は左前適時打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 楽天の「代打の神様」が、文字通り「神業レベル」の打撃技術で決勝打を放った。プロ17年目、34歳の頼もしさは増すばかり。ヒーローとなった銀次は「久しぶりに良い“詰まり”だった。打った瞬間に落ちると思った。イメージ通り」と笑った。

 出番は0―0の9回2死一、三塁。甲子園に「代打・銀次」がコールされた。1ボールからの2球目。内角高めの142キロの直球を手元まで引きつけ、体の内側からバットを出して意図的に打球を詰まらせた。あえて勢いを殺すことで左翼の前にポトリと落とす。日米通算4367安打をマークしたレジェンドのイチローも得意としていた打法で、チームを勝利に導いた。

 代打の切り札として一振りに懸ける男は、本拠地の試合後は必ず室内練習場でバットを振り、遠征先ではホテルの自室で素振りをしてから眠りにつく。「芯に当たる会心の打球は全く望んでいない。バットのどこで打ってもヒットになればいい」。良い当たりも野手の正面に飛べば意味がない。次の打席で取り返すことができない役目だからこそ「H」のランプをともすことだけを考え打席に立つ。

 これで今季の代打率・727(11打数8安打)で7打点を稼ぐ。25日の同戦でも代打で2点打を放った。セ・リーグの主催試合では投手が打席に立つため、代打の起用法が勝敗を左右するだけに「流れを見ながら合わせていく」と、この日は6回表からベンチ裏で準備を開始。試合が進むにつれて、極限まで集中力を高めていった。
 盛岡中央では3年夏に岩手大会決勝で敗れ、聖地出場はかなわなかった。プロ入り後は「甲子園は良い思い出しかない。相性が良くて好きな球場」と話すように打率・462(39打数18安打)、10打点。高校時代は遠かった憧れの場所で、また一つ思い出が増えた。(重光 晋太郎)

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