イチロー先生JKにもマジ愛の17K!2年ぶり草野球で先発147球完封 右足つる場面も

[ 2021年12月19日 05:30 ]

9回2死、最後の打者を空振り三振に抑え、完封勝利を飾ったイチローさん(撮影・坂田 高浩)
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 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさん(48)が18日、ほっと神戸で草野球チーム「KOBE CHIBEN」の一員として高校女子硬式野球選抜と対戦した。「9番・投手」でフル出場し、打席では3打数無安打も、投手では9回で147球を投げ4安打、17奪三振の完封で1―0勝利に導いた。足がつっても続投し、女子高校生にも真剣勝負。野球への情熱を胸に、将来の女子野球を支える代表候補たちに正面から向き合った。

 イチローさんの右ふくらはぎはつっていた。1―0の9回。マウンドに向かうと、保護者や関係者が席を埋めたスタンドから大きな拍手が湧き起こった。

 「久しぶりにこういう気持ちになりましたね。もう、なんか“泣くわ”と思って…本当に参っちゃったねぇ」

 最後は意地だ。吠えながら投げ、3者連続三振。2度の最速135キロなど真剣勝負を挑み、9回147球の熱投で毎回の17奪三振。「絶対負けたくなかった。(09年)WBC以来じゃないかっていうくらい、負けられない緊張感を味わいました」と振り返った。

 気温6度のほっと神戸。8回1死で投球後、右ふくらはぎを押さえて試合が一時中断した。「初めてですよ、そりゃ。寒さは大きい。あとは力の入り方が普段とは違う」。バットは3打数無安打だったが、足がつってもマウンドは守り抜いた。

 草野球は19年12月に智弁和歌山の職員チーム「和歌山智弁」と対戦して以来、2年ぶり。ただ、今回の試合は昨年12月に同校の野球部員を指導して以来続く高校生への野球指導の一環で、女子野球との初交流が実現した。

 イチローさんは「あの年代の子たちの野球は凄く面白い。プロの世界には全くないものがある」と言う。「野球熱は男の子に全然負けていない」と感じ取った熱量に、熱量をもって返した。試合後には野球教室も開催予定だったが、右足の状態や寒さから質問コーナーに変更。約40分間、技術的な助言を送った。高校女子選抜の中島梨紗監督は「イチローさんが真剣に投げ、真剣に野球をやってくれたことがありがたく、感動した。夢のようだった」と感謝した。

 このオフは国学院久我山、千葉明徳、高松商と高校生に指導を続け、女子選抜で締めた。「最後までできて、自分の限界が見られたという意味では、アスリートとして有意義な一日」。最後は自分に厳しく真顔でそう語る横顔は、現役アスリートそのものに映った。(笹田幸嗣通信員)

 《1点守った》「KOBE CHIBEN」は「3番・捕手」で元オリックスの藤本博史氏、「2番・三塁」でイチローさんと愛工大名電で同期だった高田広秀氏が出場した。4回1死一、二塁から一塁失策の間に二塁走者・沢本啓太氏が先制のホームを踏み、これが決勝点に。早実、早大の野球部に所属したチーム最年少37歳の沢本氏は「僕の足でもぎとりました」と安堵(あんど)していた。

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