DeNA笠井崇正が現役引退を決意 サークル出身の苦労人…5年のプロ生活に終止符

[ 2021年12月19日 17:00 ]

12球団合同トライアウトで力投する笠井崇正
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 10月にDeNAから戦力外通告を受けた笠井崇正投手(27)が、今季限りでの現役引退を決断したことが19日、分かった。

 異色キャリアの苦労人が5年のプロ生活に終止符を打った。「経歴を考えると5年もプレーでき“頑張ったな”と思う。自分には運があった」。北海道出身で、旭川西から早大に一般受験で進学。野球部に入部も「野球もしたいけど勉強もしたかった」と2日で退部し、その後硬式野球サークルに所属した。

 だがサークル活動でも直球が140キロ台を計測するなど実力を持ち備え、3年時の15年にBC・信濃のトライアウトを受け入団。大学4年時の16年に在学しながらプレーすると、同年ドラフト会議でDeNAから育成1位指名を受けた。

 サークル出身でプロ入りの夢物語。2軍で実績を積み、18年の開幕前に支配下登録された。球速は最速156キロまで上がった。

 通算成績は20試合勝敗なしで防御率5・93。今季は開幕1軍入りし、同2戦目の3月27日巨人戦で7回の1イニングを6失点。これがプロ最後の登板となった。

 一番の思い出は「19年にマツダ(8月30日広島戦)でインタビューを受けたこと」。2回途中から4回1/3を1失点で勝利に貢献し、勝利投手ではないがヒーローに指名された。

 8日にはトライアウトに挑んだが他球団から声は掛からず。未練は断ち切った。球団職員の道を進む。「こんな経歴でもプロに行けた。多くの方に感謝します。同じ境遇でも頑張ってくれる人がいればいいなと思います」。27歳の苦労人は晴れやかな表情でグラブを置いた。 

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