ヤクルト7連勝の裏に“高津マジック”あり シーズンを通して光る投手陣のマネジメント

[ 2021年9月25日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3―0中日 ( 2021年9月24日    神宮 )

<ヤ・中>村上(右)をグータッチで迎える高津監督(撮影・村上 大輔)
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 強さには理由がある。ヤクルトは24日、中日を3―0で下し、首位を守った。7連勝は18年7月以来3年ぶりで、貯金16は11年以来、10年ぶり。先発・高梨裕稔投手(30)と救援2投手の無失点継投が決まった。躍進を支えているのは、就任2年目の高津臣吾監督(52)による、シーズンを通しての投手陣の巧みなマネジメント力。この試合にも随所に表れていた。

 シーズン佳境を迎え安定感を増す投手陣が「ヤク進」を支えている。今季8度目の零封勝利。疲労がピークになるはずの今月に入ってから実に3度目だ。高津監督は「ファームから上がってきた人が好投するのは、戦力の底上げを考えても凄く大きい。今年は何人かポッと出てくれるので非常に助かっています」と、うなずいた。

 7月7日以来の登板だった高梨が指揮官の起用に応えた。10連戦のローテーションの谷間。2カ月半ぶりの1軍マウンドで鬼門を突破した。3―0の6回1死一、三塁。今季習得したシュートでビシエドを三ゴロ併殺に封じてピンチを脱した。今季5度もイニング途中で降板した6回を乗り切り、7回無失点で5カ月ぶりの白星。「何とか結果を残してチームに貢献したかった。連勝を止めなくて本当に良かった」。チームの連勝を3年ぶりの7まで伸ばした。

 今季は、高梨のようにファームで好調な投手を効果的にローテーションに組み込んでいる。育成途上の高卒2年目の奥川を、先月まで中10日以上で登板させた。中9日は1度だけ。出場選手登録と抹消で生まれる谷間にスアレスやサイスニードの外国人や金久保、原ら期待の若手を状態を見て起用し、投手全体の調子をキープした。

 救援陣の登板も徹底管理してきた。長丁場のシーズン。指揮官は「監視する目を持ってグラウンドに立たせるのも、僕の大きな仕事の一つ」と連投は3日連続まで。前日も3点リードの展開で終盤を迎えたが、勝利の方程式を温存。5日間で4日投げていたセットアッパーの清水と、3連投の守護神・マクガフを休ませた。2人はこの日そろって登板。休養十分で、きっちり無失点で試合を締めた。

 長期遠征が続けば練習時間を減らすなど、1年間を見越した高津流マネジメントの効果は数字にも表れている。防御率は6月以降、月を追うごとに向上して現在3.49。昨季の12球団ワースト4.61から1点以上も下がった。「投壊」と呼ばれた姿はもうない。

 貯金は16に増やし、首位の座を守った。「目の前の試合を全力で戦うだけ。また明日起きたら、明日の試合をどうやって勝つかしか考えていない」と高津監督。6年ぶりの頂点を見据えて日々、最善の手を打つ。(青森 正宣)

 ≪最短マジック点灯28日≫ヤクルトが勝ち巨人と阪神は引き分けたが、ヤクルトの最短マジック点灯日は28日のままで変わらない。条件はヤクルトが今日の中日戦から28日のDeNA戦で3連勝。その間、25、26日に阪神が巨人戦で1敗1分け、28日に阪神が広島、巨人が中日にそれぞれ敗れることでM20が出るがどうか。

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