父の死、今季開幕直前に大ケガ…それでも雑草魂で常に前を向き続けた―木下雄介という男

[ 2021年8月6日 03:10 ]

16年12月、新入団会見に出席した木下雄介投手(後列右)
Photo By スポニチ

 7月6日の練習中に倒れて救急搬送されていた中日の木下雄介(きのした・ゆうすけ)投手(27)が死去していたことが5日、分かった。関係者によると、3日に亡くなったという。

 「強気」が信条だった。支配下2年目の19年、春先から右肩痛で出遅れた。2カ月、ノースローが続いても「もう投げられる。大丈夫」と前向きな言葉しか発しなかった。1軍昇格が目前だった同年7月22日には父が交通事故で死去。それでも「父親は“どんな時でも仕事を休むな”が口癖で、40度の熱があっても仕事に行っていた」と翌23日、2軍戦で登板し通夜が営まれた24日も午前中は練習に参加し、周囲に暗い顔を見せなかった。

 今季はキャンプ、オープン戦で結果を残し勝ちパターンの一角として期待も高かった。面識のなかった楽天・田中将にスプリットの投げ方を教わるなど貪欲にレベルアップに励んでいた。だが開幕直前の3月21日、右肩を脱臼。投手にとって利き腕の肩の脱臼は選手生命の危機。それでも「どん底を経験している」と駒大を中退し、野球から離れていた雑草魂を持つ男は前を向いていた。右腕を固定されているため懸命に慣れない左手で箸を持って食事するなど明るい表情を見せていた。

 同僚たちもリハビリに励む右腕を心から応援し、似顔絵がプリントされたTシャツを作って復帰を願っていた。前向きな笑顔と強気な投球。それがもう見られないのが、つらい。

続きを表示

「始球式」特集記事

「中田翔」特集記事

2021年8月6日のニュース