川島勝司氏が侍にエール「自然体」の先に金メダル 96年アトランタ五輪銀の指揮官

[ 2021年8月6日 05:30 ]

川島勝司氏
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 96年アトランタ五輪以来25年ぶりの決勝で米国と戦う稲葉ジャパンに対し、当時の日本代表監督で銀メダルに輝いた川島勝司氏(78)がスポニチ本紙を通じてエールを送った。

 まず川島氏がキーワードに挙げたのは「自然体」。大一番では余計な力が入りがちだが「心身とも万全の状態だと思うし、できれば自然体で入ってもらいたい」と期待。「守りに入らず力を出し切れば、その先に金メダルがある」と断言する。

 頼もしさも感じている。「メキシコ戦から守備より攻撃に気持ちが向き始めた。全員が積極的にプレーしているから体がスムーズに動く」と分析。さらに「試合に出てない選手もベンチで声を出し稲葉監督が求めるつながりがある」と語った。

 稲葉監督とは過去に接点がある。「彼を学生日本代表に呼んだ当時は物静かで紳士的なイメージ」と述懐。大学生世代だけで世界一を競う94年7月のハーレム国際大会(オランダ)で4番も任せた若者が、27年後に大舞台で堂々と指揮を執っている。新人ながら重要局面を任せる栗林、伊藤も活躍しており「監督としての“ヒット”です」と力を込める。

 「世界一になれば野球に憧れる少年少女も増えるはず」と川島氏。野球の未来を担う侍たちに期待を寄せた。(伊藤 幸男)

 ▽96年アトランタ五輪の野球日本代表 代表20人は大学生4人、社会人16人のオールアマ。予選リーグを4勝3敗の3位で通過し、米国との準決勝は5本塁打で11―2大勝もキューバと打撃戦となった決勝は9―13で敗れた。新日鉄君津・松中信彦、三菱重工岡崎・谷佳知、日本生命・福留孝介、東洋大・今岡真訪、青学大・井口資仁らが、その後にプロ入り。

 ◇川島 勝司(かわしま・かつじ)1943年(昭18)4月17日生まれ、栃木県出身の78歳。群馬・桐生高から中大を経て66年に日本楽器(現ヤマハ)に入社。都市対抗は67、68年に2年連続優秀選手で日本楽器監督時代の72、87、90年に優勝。88年のソウル五輪で全日本のコーチを務め、93年に監督就任。96年アトランタ五輪で銀メダルを獲得。今年1月に野球殿堂(特別表彰)入り。右投げ右打ち。内野手。

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2021年8月6日のニュース