西武の台湾出身の救世主・呉「自分でも不思議」大爆発3安打5打点

[ 2021年4月4日 05:30 ]

パ・リーグ   西武7―4ソフトバンク ( 2021年4月3日    ペイペイD )

<ソ・西>初回1死満塁、中前2点適時打を放つ呉(撮影・岡田 丈靖)
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 主力に故障離脱が相次ぐ中、台湾からやってきた男が救世主となった。西武は6年目の呉念庭(ウー・ネンティン)が3安打5打点と躍動。開幕から3カード連続の勝ち越しとなる4連勝を呼び込んだ。

 1点先制後の初回1死満塁。高橋礼の高め直球を中前への2点打とすると、もう止まらない。5回にもサブマリンから再び中前適時打。7回にも2点二塁打を放つ自身初の5打点の大暴れに「自分でも、ちょっと不思議」とはにかんだ。プロ初本塁打を放った3月31日の日本ハム戦から3試合連続打点。計8打点はチームトップどころか、一気にリーグ3位タイに躍り出た。

 昨オフは約1カ月、台湾プロ野球の英雄と呼ばれる父の呉復連(ウー・フーリエン)氏と故郷で自主トレ。バルセロナ五輪で銀メダリストとなった父からは「引きずらないこと。1打席終わったら切り替えて次の打席にしっかり準備をしろ」と金言を授けられた。

 東京五輪には「非常に出たいと思っています」と熱望。まずは6月に最終予選に臨む台湾代表メンバーへの選出を目指す。故郷では2日、大規模な列車事故で多くの犠牲者が出た。「ニュースを見て、僕なりに何ができるかと考えて、いいニュース届けたいと思っていました」。山川、栗山に続き、外崎の離脱も決まった手負いのレオ打線は、心優しきバットマンがけん引する。(花里 雄太)

 ◆呉 念庭(ウー・ネンティン) 1993年6月7日生まれ、台湾・台北市出身の27歳。高校から日本の岡山・共生に野球留学し、第一工大を経て15年ドラフト7位で西武に入団。昨季はキャリアハイの51試合に出場した。好きな言葉は「一生懸命」。1メートル78、75キロ。右投げ左打ち。

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