八戸西・宮崎主将 何度ケガしても七転び八起き 揺れる歯を金具で留めて試合に出場

[ 2021年3月23日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第3日第1試合 1回戦   八戸西3ー8具志川商 ( 2021年3月22日    甲子園 )

<具志川商・八戸西>打球をさばく八戸西・宮崎(撮影・北條 貴史)
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 【お帰り!春球児】七転び八起き。八戸西(青森)の宮崎一綺(かつき)主将は小6時に試合で左手薬指を骨折。中学でも3年時に腰を疲労骨折し、修学旅行でも風邪をひいた。運のなさを嘆いたが、人生の流れは変わる。青森初の21世紀枠に選ばれ、甲子園の大舞台に立った。三塁側のアルプス席で見守った母の真理子さん(52)は「良いことも悪いことも何か持っているのかな」と少しうれしそうにつぶやいた。

 宮崎は19日の練習でもノックの打球を口に当て負傷。揺れる歯を金具で留めて試合に臨んだ。「支えてくれた方々の思いも背負って恩返ししたい」という思いがある。同じ八戸市内の八戸高等支援学校と19年4月に交流を始めた。結びつきを強めたのは「絆のボール」。傷んだ硬式球を支援学校の生徒がテープで巻き野球部が再利用。打撃力を磨き、春夏通じて同校初の甲子園出場につなげた。

 熱い思いとは裏腹にプレーは浮足立った。「いつも通りのプレーができなかった」と自身の1つを含めて4失策と守備が乱れた。打っても4打数無安打で2三振を喫した。

 甲子園でのプレーを「素直にうれしいなという気持ちがあった」と振り返り「一から、基礎練習からやっていきたい」と夏を見据えた。再び高い山へ登るために力をつける。 (柳内 遼平)

 ◆宮崎 一綺(みやざき・かつき)2003年(平15)6月3日生まれ、青森県八戸市出身の17歳。下長小3年時から野球を始める。下長中では軟式野球部に所属し、投手と遊撃手。八戸西では1年春からベンチ入り。小学、中学、高校のチームで主将を務めた。1メートル65、63キロ。右投げ右打ち。

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2021年3月23日のニュース