福岡大大濠 大崎との九州対決に勝利 昨秋九州大会決勝で敗れた雪辱果たす

[ 2021年3月23日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第3日第2試合 1回戦   福岡大大濠2ー1大崎 ( 2021年3月22日    甲子園 )

<福岡大大濠・大崎>1失点完投勝利した福岡大大濠・毛利 (撮影・亀井 直樹)
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 最高の舞台で最高の結果を残した。143球目。福岡大大濠の毛利海大は最後の打者を中飛で抑えると、雄叫びを上げた。10三振を奪い、大崎(長崎)との接戦を一人で投げ抜いた。

 昨秋の九州大会決勝の再戦。このとき左腕は疲労を考慮され登板せず、森本光紀ら後輩3人が継投し、チームは1―5で敗れた。「後輩がやられていたので、借りを返すイメージだった。リベンジできて良かった」と胸を張った。

 「(ベンチで)打たれたところを見て投げたい思いがあった」と振り返る。冬場は走り込みで下半身を鍛えた。目標にしている楽天・早川の体重移動を研究し、フォームの改善にも努めた。新たに習得したチェンジアップも有効だった。八木啓伸監督から「奥行きをしっかり使えるようにカーブを練習しよう」とアドバイスを受け、毛利は「あまり自信がなかった」と話すカーブを磨いて本番を迎えた。

 打倒・大崎のテーマは緩急だった。試合前に捕手の川上陸斗と「真っすぐを狙ってくる。しっかりカーブを使いながら」とイメージを共有した。130キロ台の直球を軸にカーブ、チェンジアップなどで牛耳った。6回、8回には三者連続三振をマークするなど、自在に10三振。「緩急を使えたことが三振の数になった」と話した。

 バックも盛り立てた。7回だ。1点を返され2死一、二塁で捕手の川上が二塁走者をけん制で刺し、ピンチを救った。直前の坂本に適時打を打たれたのは川上のチェンジアップ要求に毛利が首を振って投じた直球。「自分の強気なところが出てしまった。“首を振ってごめん”と、後で言いました。本当に頼れるキャッチャー」と最敬礼した。

 八木監督は「秋に比べるとボールがまとまって成長を感じた」と目を細めた。センバツのチーム最高成績は17年の8強。毛利は「ベスト8、優勝を目指して勝っていきたい」と高みを目指す。

 ▽昨秋の九州大会決勝

 大崎が5―1で快勝した。大崎は勝本晴彦、福岡大大濠は森本光紀の両左腕が先発。大崎は初回に松本慶一郎の適時打で同点に追いつくと、1―1の4回は9番・山口剛大の適時打で勝ち越し。5回、7回にも加点した。

 投げては勝本が120キロ台の直球とカットボールを低めに集めて4安打1失点で完投。地元長崎で行われた九州大会で初優勝を飾った。福岡大大濠は初回に山下恭吾の左越え本塁打で先制したが追加点が奪えなかった。

 ≪4度目の九州対決≫福岡大大濠が大崎(長崎)との九州対決を制し初戦突破した。福岡勢が長崎勢と甲子園で対戦するのは小倉工が海星を4―2で下した67年夏の1回戦以来54年ぶり3度目で春は初対決だった。なお、センバツでの九州対決は05年準々決勝の神村学園(鹿児島)3―2沖縄尚学(沖縄)以来4度目。今大会は出場校の地域性を考慮しないフリー抽選となったため1回戦で九州対決となった。

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2021年3月23日のニュース