具志川商 センバツ史上3度目「21世紀枠対決」制した! 八戸西のドラフト候補・福島攻略

[ 2021年3月23日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第3日第1試合 1回戦   具志川商8ー3八戸西 ( 2021年3月22日    甲子園 )

<具志川商・八戸西>2回、具志川商・上原は中前に先制の2点適時打を放つ(撮影・奥 調)
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 1回戦3試合が行われ、具志川商(沖縄)は八戸西(青森)と対戦。ともに初出場でセンバツ史上3度目となった「21世紀枠対決」を8―3で制し、初勝利を挙げた。打線が11安打を放ち、今秋ドラフト候補に挙がる143キロ右腕・福島蓮投手(3年)を攻略した。

 初めての甲子園。マウンドには1メートル89を誇る長身右腕・福島蓮がそびえ立つ。1メートル62の上原守凜(しゅり)は父の教えを思い出した。0―0の2回1死二、三塁。134キロ直球を狙い打ちし、中前に先制2点打を運んだ。

 「お父さんからは、“雰囲気にのまれずに楽しくやってこい”と言われた。自分は下位打線(8番)で力がない中で、真っすぐで押してくるかなと思った。読み通りだったので、しっかり振り切れた」

 父・重信さん(43)は95年夏に沖縄水産で甲子園に出場も、初戦で東海大山形に1―4で敗れた。息子はあの夏と同じ、一塁側ベンチで、相手も同じ東北勢。不思議な縁を感じながらアルプス席で雄姿を見届け「普段はマネジャーが撮った動画を見ながら“開きが早い”とか“タイミングを取るのが遅い”とかそういう話はします。自分の息子ですけど、今日は神がかっていましたね」と決勝打を含む2安打2打点の活躍を喜んだ。

 センバツ史上3度目の21世紀枠対決。ナインは八戸西の福島攻略へ、入念な準備を進めてきた。分析班を中心に研究し、走者一塁では「長くボールを持ったらけん制はこない」というデータも前日のミーティングで確認。2回に中前打を放ち、二盗も決めた知名椋平は「足で揺さぶらないと。点に絡んで良かった」と4点を奪う先制攻撃に胸を張った。

 チームは冬場の目標に10万スイングを掲げ、振り込んできた。11安打8得点の結果に、粟国陸斗主将は「1割のうれしさのために、9割の苦しさを踏ん張ってきた。なまけそうな選手がいれば、ケツを叩いてやってきた」と振り返った。同校OBの喜舎場(きしゃば)正太監督は「普段通りにやってくれた選手を称えたい。一OBとしても、後輩がよくやってくれた」と喜びをかみしめた。(川島 毅洋)

 ≪5年ぶり21世紀枠校勝利≫具志川商が8―3で八戸西との21世紀枠対決を制し、2回戦に進出した。21世紀枠校の勝利は16年に釜石が同じ21世紀枠だった小豆島を2―1で破って以来5年ぶりだ。また、21世紀枠校の5点差以上での初戦突破は01年の宜野座(7―2岐阜第一)、09年利府(10―4掛川西)以来3度目。過去の2校はいずれも21世紀枠校最高成績となる4強まで勝ち進んだが具志川商はどうか。

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2021年3月23日のニュース