広島・野村は「一発合格」だ 今春1軍初登板で5回無失点 開幕ローテへ「滑り込んだ」

[ 2021年3月22日 05:30 ]

オープン戦   広島2ー1ソフトバンク ( 2021年3月21日    マツダ )

<広・ソ>先発し、5回を零封した広島・野村(撮影・岡田 丈靖)
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 広島・野村祐輔投手(31)は、21日のソフトバンク戦で今春1軍初登板初先発して、5回を被安打2、無失点と首脳陣の期待に応えた。残り1枠だった開幕ローテーション入りに「一発合格」し、開幕3戦目となる28日中日戦(マツダ)の先発が決定。チームは5勝6敗の8位でオープン戦全日程を終えた。

 巧みな投球術は、先発入りを懸けた一発勝負の緊張感を感じさせなかった。「ストライクゾーンを広く使っていくのが持ち味」。内外角、高低の四隅を丁寧に使い分けて無四球。決して制球を間違わない姿は、手術前の野村と変わりなかった。

 4回1死無走者で迎えた柳田との対戦では、ボールゾーンも利用した。内角カットボールは4球中3球ボール。「踏み込むと打者はフルスイングできる」。懐を意識させてからフルカウントでの6球目、外角ツーシームで空振り三振とした。

 さらには、球速帯まで計算し尽くされていたのだから恐れ入る。最速は135キロながら、ツーシーム、カットボールも130キロ前後。全73球中59球を125~135キロの間に集中させて、打者の手元で左右に変化。打者17人に対して6つのゴロアウトを積み重ねた。

 「制球が良かった。四球がなかったし、ストライク先行でいけた。(昨季より)球の高さが(良くなった)。低かったり高かったり、中途半端がない」

 オープン戦最終戦が今春の1軍初登板だった。開幕ローテーション入りに向けて1度しか用意されなかったアピール機会で、5回無失点の一発回答。佐々岡監督からは「結果も含めてナイス投球だった。3つ目を託すというかね」と評価されて、開幕3戦目となる28日の中日戦での先発に内定した。

 昨季は下半身のコンディション不良で開幕に間に合わなかった。さらに、10月に右鎖骨下静脈血栓除去手術を受けて今春は2軍スタートだった。「1軍に上がるためにコツコツとやってきた。開幕はスタート。開幕してから課題とかいろんなことが出てくると思う。1年間かけてやっていきたい」。これで開幕ローテーションを担う6人が決定。V奪還に欠かせない主役たちが1軍にそろった。(河合 洋介)

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2021年3月22日のニュース