阪神・福島圭音 近本離脱の代役「1番・センター」で悲喜こもごも 守備では反省も意地のマルチ

[ 2026年4月29日 01:15 ]

セ・リーグ   阪神5―10ヤクルト ( 2026年4月28日    神宮 )

<ヤ・神(4)>5回、適時二塁打を放つ福島(撮影・藤山 由理)
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 阪神は28日、9連戦の初戦となったヤクルト戦(神宮)を5―10で落として首位から陥落した。26日広島戦の死球禍で左手首を骨折した近本光司外野手(31)の代役として、福島圭音外野手(24)が「1番・中堅」でフル出場。2回に右翼・森下と飛球を“お見合い”して先制点を許すも、5回に反撃の適時二塁打、9回2死から中前打と意地のマルチ安打で挽回した。不動のリードオフマンを欠いた猛虎に、育成上がりの苦労人が新風を吹かせる。

 痛感した。そして反省した。初めて1軍で阪神のセンターを守った福島が、左手首骨折で離脱した近本が果たしてきた仕事の重要さと難しさを感じた。

 「チームとしてもほんと…」。試合後、背番号5の不在について語ろうとした福島は、そこで言葉を区切った。自分は語れる立場じゃない。体を張ってやるしかない。「ボクが言えることはないです」とスコアボードに表示された「5―10」を見上げ、唇をかみ締めた。

 チームにとって重要な試合だった。ゴールデンウイーク9連戦の初戦、そしてヤクルトとの首位攻防。近本の長期離脱を受けて、これからどう戦うかの試金石。代役一番手に指名されたのが育成出身の福島だ。「1番・中堅」での初スタメン。だが、勝利を呼び込むことはできなかった。

 2回にいきなり“ほころび”が出た。無死一、二塁で古賀の右中間への打球を、森下と福島がお見合いのような形で適時打にした。5年連続ゴールデン・グラブ賞の近本が君臨してきたエリア。必死に追う福島の勢いに森下はストップし、打球はその間に落ちた。その一打を皮切りに才木は炎上し、自己ワーストの1イニング6失点でKOされた。

 「緊張感もあったけど、自分が何を求められているかを考えたら、やっちゃいけないプレーだった。しっかり反省して、明日もゲームがあるので、つなげていくしかない」

 ただ、不屈の男はミスをしても、決して下を向かない。3点差の5回1死三塁では吉村の直球を打ち返し、プロ初タイムリーとなる中越え二塁打。9回にも田口からの中前打で唯一の複数安打で意地を見せた。

 育成時代から近本に憧れ、近づこうとしてきた。バットの構え方も自然と似てきた。だからこそ、この危機に全力を尽くすしかない。福島はそこだけに集中している。「バットで取り返した?そんなこと言ってられないです」。課題も収穫も出たケイン劇場はここから。首位陥落のチームを救う日は必ず来る。(鈴木 光)

 ▼阪神筒井外野守備兼走塁チーフコーチ(2回無死一、二塁、中堅・福島と右翼・森下が打球を見合って適時打献上)「結果が出てしまったというところで、しっかり反省して、また次やります」

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