13年ぶり阪神・糸井が左翼へ ロハス不在想定し準備着々 矢野監督「右翼空けて待つことない」

[ 2021年2月18日 05:30 ]

<阪神宜野座キャンプ>トンボでスイングする糸井(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・糸井の動きは不慣れなポジションでも軽快だった。シートノックで就いた守備位置は、守り慣れた右翼ではなく左翼。新助っ人のロハス(韓国・KT)が開幕に間に合わない可能性が高いなどのチーム事情もあり本格的に着手。16日の守備練習から一度も右翼には就かず左翼に全集中しており、今年7月で40歳を迎える球団最年長の強い覚悟が伝わってきた。

 日本ハム時代の08年10月1日楽天戦を最後に左翼は守っていないが、ブランクを感じさせなかった。2年目の井上、ドラフト1位・佐藤輝とともに守り、猛チャージして正確に本塁送球するなど球団最年長は若手にまだまだ負けない心意気をプレーで示した。ノッカーを務めた筒井外野守備走塁コーチも「状態は万全。この(第4)クールからしっかり守っているし、難しい球際も反応してできているから、いい状態だと思う」とうなずいた。

 新たな挑戦は、自身にもチームにもプラス材料がある。近年、膝痛に悩まされるなど下半身に不安を抱えるだけに、走者一塁の場面で打球が飛んできても、右翼と比較すれば猛チャージする必要性が少なく負担も減少する。佐藤輝やサンズらとの併用となれば、構成の選択肢も増える。

 今後の実戦の結果次第では開幕戦での左翼先発の可能性もゼロではない。矢野監督も「嘉男自身も奪っていかないといけない立場の中で、右翼を空けて待つことはない。競争だよ。勝ってきたやつを使っていく」と、ベテランの奮起がチーム力の底上げになることを期待する。ピンチはチャンス――。今年7月で40歳を迎え、大きな上積みはないが、そんなマイナス材料を全て打破してこそ、正真正銘の「超人」だ。(長谷川 凡記)

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