2年目の飛躍を約束する「推薦状」だ 急成長の阪神・西純に平田2軍監督「2ランクくらい上がっとる」

[ 2021年1月15日 05:30 ]

キャッチボールする阪神・西純矢(代表撮影)
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 阪神の西純矢投手(19)が14日、2年目の大飛躍へ“推薦状”をもらった。鳴尾浜球場で新年3度目のブルペン入り。視察した平田2軍監督から絶賛され、1軍の先発枠争いへ背中を押された。約6キロ絞った体重などに手応えを深め、矢野監督からも示唆されている初の1軍キャンプを見据えた。

 ブルペンから響かせた心地いいミット音は、成長の表れ、そして、飛躍の予兆か。年明けから早くも3度目のブルペン入りを終えた西純は充実の表情で順調な調整ぶりを明かした。

 「結構いい感じにきています。自分の思っている以上に」

 捕手を立たせた状態で53球の投球練習。カーブ2球以外は全て直球で投げ込んだ。昨秋のフェニックス・リーグから取り組む前田健太(ツインズ)を参考にしたフォームはほぼ完成の域に達し、手応えをにじませた。

 「継続してできている。バランスはまだまだですけど、球の強さとかは結構いいと思う。もう少し球の強さを意識してやって、キャンプの前ぐらいに、ちょっとバランスを意識してやっていこうかなと思っている」

 静かな自信と対照的に視察した平田2軍監督は大絶賛だった。
 「素晴らしい。リリースが安定した。体も締まっているし、冬を越して、トレーニングもしっかりしてきているなと。全くレベルが違う。2ランクくらい上がっとる」

 既に矢野監督から今春キャンプの1軍スタートを示唆されている中、「1軍のローテーションに割って入るくらい、競争できるくらいになりつつあるよ。2月のキャンプが非常に楽しみだな」と太鼓判を押された。

 充実ぶりは体の仕上がりからも見て取れる。昨年同時期96キロだった体重が約90キロ。体脂肪率も15~16%まで下がった。「体脂肪が減っていて、筋肉量が上がっていた」。度々連絡をくれる遠縁の西勇からは「やるときはしっかりやって、休むときはしっかり休む」と助言され、「時間を大切にする…というのが一番印象に残っています。全然変わった」とうなずいた。

 心技体で確かな進化を実感する高卒2年目の始まり。期待される飛躍へ「もちろんそういう意識でやっています」と2月1日のキャンプインを見据えた。チェンやアルカンタラらの加入で激化する先発枠争いに新風を吹かせるか。19年のドラフト1位。猛虎注目の一番星は佐藤輝だけではない。 (阪井 日向)

 【球界の主な2年目開花高卒投手】

 ★ダルビッシュ有(日)05年は6月デビューで14試合5勝5敗→06年は開幕ローテ入り、5月30日巨人戦から閉幕まで10連勝の25試合12勝5敗。

 ★涌井秀章(西)05年は13試合1勝6敗→06年は先発ローテ定着で4連続含む8完投、26試合12勝8敗。

 ★前田健太(広)07年は1軍登板なし→08年は後半戦からローテに定着、19試合9勝2敗。

 ★山本由伸(オ)17年は先発で5試合1勝1敗→18年はセットアッパーで活躍して54試合4勝2敗1セーブ32ホールド。

 【高卒2年目で開花した阪神投手】

 ★仲田幸司 84年は1軍登板なし→85年は5月12日ヤクルト戦完封でプロ初勝利。25試合3勝4敗でチーム21年ぶりのリーグ優勝に貢献。

 ★才木浩人 17年は救援2試合で勝敗なし→18年5月27日巨人戦初先発でプロ初勝利など、22試合で6勝10敗。

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