フィル・ニークロ氏が81歳で死去 メジャー通算318勝のナックルボーラー

[ 2020年12月28日 10:39 ]

81歳で亡くなったフィル・ニークロ氏(AP)
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 メジャー24年間で通算318勝を挙げ、1987年に48歳で引退した元ブレーブスのナックルボーラー、フィル・ニークロ氏がアトランタの自宅で死去。ブレーブスが27日に発表したもので、がんと長年にわたって闘病中だった同氏は25日に眠るように亡くなったとしている。

 ニークロ氏の父フィリップ氏は、オハイオ州の炭鉱チームで投手をしていたが肩を壊して速球が投げられなくなり、同じチームにいた別の投手からナックルボールの投げ方を教えてもらい、それを息子に伝授。25歳という遅咲きの部類でメジャーに昇格したニークロ氏はブレーブスがミルウォーキーからアトランタに移転してから2年目となった1967年から先発として起用されるようになり、捕手でさえもキャッチできない複雑に変化する無回転のボールを駆使して、1977年からは3年連続で「先発40試合&20勝以上」をマークした。

 「ある日、父に突然ナックルを教わったのだが最初はそれが何なのかわからなかった。結局、私は速球もカーブもスプリットの投げ方も知らずに投手となり、たった1種類のボールしか投げられなかった」とニークロ氏は述懐。1973年にノーヒッター、77年からは4年連続最多敗戦、85年に46歳189日で300勝、そして当時として史上最年長の完封勝利、40歳以降に121勝(リーグ歴代最多)といった数々の記録を残した希代のナックルボーラーだった。

 弟のジョー・ニークロ氏(元アストロズほか=2006年に61歳で死去)もナックル投手で通算221勝(204敗)。兄と弟を併せた通算539勝は兄弟としての最多勝利にもなっている。

 ニークロ氏はヤンキース、インディアンズ、ブルージェイズなどを含めて24シーズンで864試合(先発716試合)に出場し、318勝274敗、防御率は3・35。通算3342奪三振で球宴には5回選出されて1997年に殿堂入りを果たしていた。ブレーブス時代に2度シーズンMVPとなったデール・マーフィー氏(64)は「一緒にプレーできたことに感謝したい。いい思い出をありがとう」と追悼。なお2020年になって、大リーグでは殿堂入りしているトム・シーバー(元メッツ)、ジョー・モーガン(元レッズ)、ルー・ブロック、ボブ・ギブソン(ともに元カージナルス)、アル・ケーライン(元タイガース)、ホイットニー・フォード(元ヤンキース)各氏が死去。同一年に7人もの殿堂入り達成者が世を去ったのは、これが史上最多となった。

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