ロッテ・安田 千賀の直球狙い打つ! 10年前の「下克上」再現へ「当たって砕けろ」

[ 2020年11月14日 05:30 ]

井口監督(後方)が見守る前でフリー打撃する安田(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は14日、開幕する。今季はパ・リーグのみの開催で、レギュラーシーズン優勝のソフトバンクが1勝のアドバンテージを持って、2位のロッテと4試合制で対戦。セを2連覇した巨人と戦う日本シリーズへの進出を争う。10年に3位から日本一まで駆け上がったロッテは「下克上」を再現すべく、3年目の安田尚憲内野手(21)が、初戦先発の千賀滉大投手(27)攻略を誓った。

 打球は右中間スタンドの中段まで飛んでいった。全ての練習を終えて、打撃練習を見守っていたナインから「オォ~~」と感嘆の声が上がった。ケージの中で打球の行方を見つめていた安田も満足げな表情を浮かべた。

 「本当は試合で打ちたいですけどね。でも、昨日は全然打てなかったので、今日は最後、一発で仕留められてよかったです」
 敵地で行った全体練習。フリー打撃は2日連続で鳥越ヘッドコーチが打撃投手を務めてくれた。最後に「柵越えしたら終わり」のルールが設けられた中、前日は10球も要したが、この日はわずか一振りで捉えた。まさに「一本締め」だ。

 プロ3年目で初のCS。今季87試合で4番を務めた21歳は「今回はチャレンジャー。そんなにビクビクする必要ないし、自分は初めてだから何も分かっていない。当たって砕けろ、じゃないけれど、ぶつかっていきたい」と心境を口にした。

 千賀に対して玉砕覚悟で狙い球を絞っていく。今季8打数2安打ながら、8月18日の対決では150キロをはじき返し、左翼フェンスを直撃する2点二塁打を放った。「あのフォークは打ちようがない。追い込まれたら厳しい。直球、カウントを取りにくる球を仕留めたい」。CS進出を決めるまでのラスト7試合は7、9番に降格。初戦も同様に9番スタメンが有力で、マークが緩くなる打順だからこそ、甘い球が来る確率も高い。

 初戦を落とすと後がなくなるが、チームは短期決戦が得意。05年はレギュラーシーズン2位からプレーオフを制してリーグ優勝、日本一、アジア王者へと輝いた。10年は3位から日本一。「史上最大の下克上」と称された。井口監督は「チームの雰囲気はかなりいい。明日、何とか勝ってタイに持ち込みたい」と力を込めた。今年は、若きスラッガーがその一翼を担う。(横市 勇)

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月14日のニュース