名実ともに「セ界のエース」だ 大野雄が防御率、奪三振の2冠に輝く

[ 2020年11月14日 19:10 ]

中日・大野雄(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 文句のつけようがない一年に、大きな勲章が待っていた。2年連続の防御率、そして初めてとなる奪三振のタイトル。過去に経験のない達成感が、シーズンを終えた大野雄を満たしていた。

 「(防御率が)1点台で終われるとは想像していませんでした。捕手の木下拓がピンチでも冷静にリードしてくれた結果がこの数字だと思うので感謝したい」

 新型コロナウイルスの感染拡大で6月に幕を開けた未曾有のシーズン。開幕投手を任された背番号22も、序盤は全く調子が上がらず、7月を終えた時点で1勝3敗だった。「3試合目の東京ドームで“これだ”という投球ができ、それをシーズン終わりまで続けることができた」。ターニングポイントに上げたのが7月3日の巨人戦。菅野と投げ合い、7回2失点で負け投手になっても、逆襲の手応えはつかんでいた。

 そして8月以降は“無双状態”。球団記録に並ぶ5試合連続完投勝利をマークするなど、安定感は随一だった。

 「(奪三振のタイトルは)木下拓が三振を取れる配球をしてくれたからだと思います。三振を取れば気持ちいいし、完全アウトなので、これからもたくさん取れるように頑張りたい」

 11勝6敗、防御率1・82。148奪三振、10完投、6完封と圧巻の数字を並べた左腕に対し、阪神など他球団は来季の去就に注目していた。しかし、早々と残留を表明。8年ぶりのAクラスに入り、来季の優勝争う中日にとって、一番欠かせないピースだけに、球団、首脳陣の安堵(あんど)は大きい。飛躍の2021年シーズンへ――。リーグ優勝、そしてタイトル総なめのために、大野雄はその左腕を振り続ける。

続きを表示

2020年11月14日のニュース