ボールが消えた!巨人・重信 ネット突き破る“珍”エンタイトル二塁打

[ 2020年7月25日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―5ヤクルト ( 2020年7月24日    神宮 )

<ヤ・巨>7回、重信の打球を右翼手・山崎が追うもフェンスに直撃、そのまま突き破って客席に入ったという判定で二塁打となる(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 消える魔球。オールドファンには懐かしいフレーズだろう。漫画ではなく、現実のプロ野球で巨人・重信の打球が消えた。

 事実、本人が振り返った言葉がこうだ。「ボールが消えたので、捕られた…と思いました」。5点ビハインドから2点差に迫った7回。右中間へ放った打球に、右翼手の山崎がフェンス際で飛びついた。捕球できずキョロキョロと打球を探す。だが、見つからない。

 消える魔球とは、「巨人の星」で主人公・星飛雄馬が投じた「大リーグボール2号」。本塁近くで地面すれすれに下降、上昇して土を巻き上げて消える空想の球だ。打者版の「消えた打球」を、今季初めて観客を入れた神宮球場全体が探した。

 審判が二塁を指さし「エンタイトルツーベース」を告げた。場内マイクで「フェンスと金網の間を突き破り、スタンドに打球が入りました」と説明する。この一打から打線はつながり、三塁進塁後に坂本の右犠飛で生還。丸がバックスクリーンに5号ソロを放ち、一挙3点で同点とした。

 18日間の遠征から東京に戻った初戦。ベンチにも初めての光景があった。都内の新型コロナウイルス感染状況を受け、首脳陣と控え選手が球団公式サイトで販売するマスクを着用。ガイドラインで義務化はされていないが万全を期し、原監督の「意識が世の中に伝わり、少しでも収束につながれば」という思いだった。

 2位ヤクルトに0―5から執念のドローで3・5ゲーム差を維持。指揮官は「引き分けは引き分け。勝ち越さにゃいかん」とあくまで貪欲だ。重信は「いい方向で(打球が)消えてくれたので良かったです」と胸をなで下ろした。(神田 佑)

続きを表示

この記事のフォト

2020年7月25日のニュース