川崎病で10年以上定期健診 巨人・田口が“恩返し”地元・広島の医療従事者にマスク1万枚寄付

[ 2020年5月4日 05:30 ]

地元・広島県にマスク1万枚を寄付することを明かした巨人・田口

 巨人・田口麗斗投手(24)が3日、新型コロナウイルスの対応に当たる医療従事者らを支援するため、出身地の広島県にサージカルマスク1万枚を寄付した。球団を通じて「僕自身、子供の頃に長期入院を経験し、病院の方々には大変お世話になり、何か恩返しがしたいと思っていました」と話した。

 2歳の時に心臓の血管の一部がこぶのように膨らむ「川崎病」を発症。全身の血管に炎症が起こり、目の充血や発疹などの症状が出るのが特徴で、4歳以下の乳幼児に多い病気だ。当時は広島県内の病院に約1カ月入院。退院後は年1回の定期健診を受けて、中学時代に完治を告げられるまで10年以上かかった。

 健康な体で野球が続けられることに、感謝の気持ちがある。「新型コロナウイルスの感染が広がる中、最前線で命を懸けて闘ってくださっている皆さまの力になりたいと思い、マスクを寄付させていただいた」。マスクは広島県内の感染症指定医療機関など42施設に配布される予定だ。

 開幕ローテーション入りが確実視される左腕は今季、3年ぶり3度目の2桁勝利を目指す。「苦しい状況が続きますが、大切な人の命を守るため、みんなで力を合わせて乗り越えましょう」と訴え、来る開幕の日を待つ。(神田 佑)

 ▽川崎病 医師の川崎富作によって発見された主に乳幼児がかかる発熱性疾患。急な発熱ではじまることが多く、全身の血管に炎症が起こる。日本では年間約1万5000人が発病している。新型コロナによる甚大な被害が出ている欧米各国では、子供が「川崎病」と診断されたり、似た症状を訴える症例が増加。医師らは新型コロナが引き金になっている可能性を指摘し、世界保健機関(WHO)も警戒を呼びかけている。

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2020年5月4日のニュース