元阪神・高橋聡文氏が虎投にエール「調整し直すより、開幕は7、8割で入れれば」

[ 2020年5月4日 06:00 ]

高橋聡文さん(本人提供写真)
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 昨季限りで現役引退した前阪神の高橋聡文氏(36)が3日、スポニチ本紙を通じて投手陣にエールを送った。プロ18年間で通算532試合登板の経験をもとに先の見えない開幕への調整法を助言。自身と同じ中継ぎに転向する岩貞、新型コロナウイルスに感染するアクシデントに見舞われた藤浪にも金言を授けた。

 昨年引退し、今年は今後の人生ことを考える年にしようと思っていました。ただ、外出もできない状況ではできることは少なく、思うように過ごせていないのが現状です。

 自分のことはさておき、開幕延期は投手にとっては野手以上に大変なこと。僕もこんな経験はないので、あくまで自分ならこうするというのを考えました。まず、例年のように「開幕に万全で臨む」という調整はやめます。限定された練習メニューで同じように仕上げるのは困難。開幕日もいつ決まるかわからず、延期するたびに調整し直すようなことだけは避けたい。現時点では「開幕に7、8割の状態で入れれば」と考えておいた方がいいと思います。

 僕なら本番前の仕上げに最短で3週間。1週目にブルペン投球を3回、2週目はシート打撃など打者相手の登板が1回と、ブルペン2回。3週目に実戦登板を2試合。これがギリギリです。もちろん、先発、中継ぎや年齢によって変わりますが、自分なりのイメージづくりは必要。それまでの肩の調整は、5、60メートルの距離を低いライナーでしっかり投げられていれば十分だと思います。

 今季は岩貞が中継ぎで、僕の動画を見ているそうですね。参考になっているかは分かりませんが、サダなら適性は十分。助言をするなら、先発以上に「内容より結果」だということ。例えば好調な打者を相手にした時、先発なら「あとの打席も考えて」勝負しなければならない時もある。中継ぎは避けたい時は避ければいい。どんな形でも0点ならいいと割り切ることです。「今日はボールが行っていない」とかそんな悩みは必要ありません。

 最後に藤浪についても一言。素直で礼儀正しい後輩で昨年も仲良くしていました。指先の感覚を大事にするタイプで、投げたがりなんでこの状況は辛い。大きな試練ですよ。ただ、高い壁だからこそ乗り越えたら価値がある。こんな年だからこそ「やってやろう」という気持ちで臨んでほしいですね。

 ○…高橋氏は現在、SNSなどのオンラインでファンや野球少年と交流している。先日から元阪神のトレーナーの土屋明洋氏とともに、小、中学生相手のオンライン野球教室「野球大学」(http://bbupro.online)をスタートさせた。公式LINE登録者限定で投球フォーム、打撃フォームの無料動画チェックを行っている。また、YouTubeの公式チャンネル「ふみちゅーぶ」でも活動中。

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