阪神・能見 藤浪ら3選手にエール「無事に帰ってきたのが第一。次どうするかが大事」

[ 2020年4月25日 05:30 ]

甲子園で自主練習を行なう能見(球団提供)                       
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 阪神の能見篤史投手(40)が24日、甲子園施設でキャッチボールなど約2時間の自主練習を行い、オンライン取材に応えた。約3週間に及んだ活動休止という苦境を経て開幕への意気込みを口にした球界最年長左腕は「前進」の姿勢を強調。新型コロナウイルスに感染して回復した藤浪ら3選手にもエールを送って、チームとしても「前進」していくことを願った。

 前進あるのみ――。百戦錬磨のベテランが向ける視線は力強い。能見は、この難局を冷静に捉え、前を向くことも忘れなかった。

 「状況的に初めてなので。どうプラスに捉えるかも、なかなか…。考えはプラスに捉えるんですけど。日本がこういう状況でプラス…っていうのがどうなのかって。前向きに進むっていうところをプラスにしていかないといけないのかなと」

 緊急事態宣言が発令され、全国的に新型コロナウイルスの感染が広がる状況を深刻に受け止め、慎重に言葉を選んだ。約3週間の活動休止期間では、外出することは皆無。感染防止を第一に考えたこともあり「ほぼしてない方が多い」と、トレーニングできない日が多数を占めたという。

 それでも、春季キャンプで敢行した1300球に及ぶ投げ込みが、今を支える。「投げた分は戻ってくる。今思えば、しっかり投げ込んでおいて良かった。体が覚えてるのが一番。そういうのは生きてる」。腕を振って作った“貯金”が、ブランクを打ち消す。最も懸念するのは開幕への逆算。ただ「ある程度の期間が分かれば、これだけ(プロで何年も)やってきてるので、どうやって動いたら良いかって分かってくる」と、ギアを入れる準備だけは整えておく。

 「前進」の姿勢はチームにも向けられた。前日、感染から回復した伊藤隼、藤浪、長坂の3人から謝罪を受け「これから頑張っていこう」と返したという。言葉を続ける。

 「無事に帰ってきたのが第一。次どうするかが大事だと思うので、次やってくれると思いますし。チームとして動いてる、っていうところは再認識できた」

 仲間との一丸の思いも噛みしめ、これから見据えるのは「開幕」という唯一無二の目標だ。23日に行われた12球団代表者会議で開幕しても当面は、無観客開催での方針が決まったことにも、プロアスリートとしての強い自覚をにじませた。

 「開幕できるっていうところが僕らも願ってるところ。待ち望んでる方もいる。こちらも良いプレーをするのが最低条件。ただ開幕っていうだけじゃいけないし、何かを感じてもらわないと。そこはプロとしてやっていかないといけない」。5月28日が誕生日で、激動のシーズンは、41歳で迎える。“年輪”の意味を示す一年になる。(遠藤 礼)

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