山井の消えた日本S完全試合…捕手・谷繁は交代を進言していた 落合監督の歴史的決断に感嘆

[ 2020年4月7日 22:41 ]

2007年日本シリーズ第5戦でで8回を完全投球の中日・山井
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 NHK・BS1で7日、午後7時から「あの試合をもう一度!スポーツ名勝負『2007日本シリーズ 夢の“完全試合”V』」と題して2007年11月1日に行われたプロ野球日本シリーズ第5戦「中日―日本ハム」(ナゴヤD)が170分にわたって放送され、この試合で捕手を務めていた元中日監督で解説者の谷繁元信さん(49)が出演。山井―岩瀬と2投手による“完全試合”で日本一を勝ち取った裏側を語った。

 中日の53年ぶり日本一がかかった第5戦。先発マウンドに上がった山井大介は8回まで日本ハム打線相手に1人の走者も許さず、完全試合での日本一という偉業まであと1イニング。だが、ここで落合博満監督は最終回のマウンドに山井ではなく守護神・岩瀬仁紀を送り、2投手のリレーによる“完全試合”で日本一を勝ち取った。落合監督のこの采配には当時、ファンからも賛否の声が巻き起こった。

 ともに試合の“完全VTR”を見終わり、当時実況を担当した工藤三郎アナウンサー(66)からコメントを求められた谷繁さんはまず「やっと日本一になれたっていうね…。やっぱりドラゴンズが53年間、日本一になってなかったっていう、その重みっていうのがすごくありましたよね」と当時を回想。そして、山井の交代について聞かれると「受け手からしてみると、7回の終わりぐらいから8回に入って山井のスピード、キレ、コントロールっていうのはやっぱり少しずつ甘く入ってきてましたから…」と捕手として証言した。

 谷繁さんによると、8回が終わってベンチに帰ったところで当時の投手コーチから「どうだ?」と声をかけられた谷繁さんは「まず山井本人に聞いてください」としながらも「僕は正直、代えてもらった方がいいと思います、代えた方がいいと思います…ということは言いました」と交代を進言していたことを明かした。

 「それは、なぜかというとですね、やはり日本一になりたかったんですよ。もう単純にそれだけです」と谷繁さん。その後、谷繁さんは中日監督として指揮を執ったが、工藤アナから“監督としてもし同じ場面になったらどうするか”を問われると「同じ場面がないことを祈りますけど、もしあったなら、ですよね…難しいですよねぇ…これは」と苦笑いしつつ考えこんだ。そして「もしかしたら代えなかったかもしれないですけど」と苦笑いのままポツリ。「いろいろな条件があると思いますけどね。でも、その日にあのところで代えた決断力っていうのは僕はすごいと思います」と落合監督の采配に舌を巻いていた。

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