「小泉体育賞」受賞の慶大野球部 試練乗り越え目指すはリーグ連覇

[ 2020年4月7日 17:16 ]

野球部に贈られた慶應義塾小泉体育賞の賞状
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 【伊藤幸男の一期一会】神奈川県横浜市の慶大野球部合宿所。監督室に掲げられた賞状がさん然と輝く。表題「小泉体育賞」の横には慶應義塾体育会野球部、そして昨秋の明治神宮大会・大学の部を制した郡司裕也(現中日)以下ベンチ入りメンバーの名前が並んだ。

 1933~46年に慶大塾長を務め、「練習ハ不可能ヲ可能ニス」の言葉とともに体育会発展にも尽力した故小泉信三氏。1967年からは同氏の名前を冠し、国内外で顕著な活躍した体育会所属の団体、個人を1年ごと表彰する制度が制定された。2012年にはロンドン五輪競泳男子平泳ぎ二百メートルの銅メダリスト・立石諒(当時4年、現ミキハウス)らが受賞している。

 野球部も複数回、栄誉に輝いている。直近では17年、岩見雅紀(現楽天)がユニバーシアード金メダリストとして個人表彰されたが、団体では明治神宮大会を制した2000年以来の快挙だ。

 現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため活動を自粛中。グラウンドは無人で、声も聞こえてこない。今は学生の安全面と健康を最優先している。

 連覇がかかる東京六大学リーグ開幕は5月末に延期が決定。試合方式も従来の勝ち点制を断念し、74年ぶりの1試合総当たり制に変更する方針を固めた。慶大は最速151キロ右腕・木沢尚文を筆頭に関根智輝、佐藤宏樹、長谷部銀次と経験豊富な4年生カルテットが健在。さらに左腕・増居翔太(2年)らが控える投手陣は盤石だ。先月中旬、神宮でのナイター練習を経験した瀬戸西純主将は「監督が代わり、メンバーも去年から代わるけど、チームは作れていると思う」と自信を示した。もちろんライバルの5大学もV2阻止へ戦力を整えている。

 小泉氏は関東大震災後、被災地の実態調査を進めつつ文化的行事の振興に貢献。1943年にも軍部の猛反対を押し切って出陣学徒壮行早慶戦(最後の早慶戦)開催に尽力した。僭(せん)越ながら、小泉氏はスポーツの生み出す感動や夢が人々を勇気づけるとの信念を抱いていたのではないか。私たちが平和な日常を取り戻し、球音が響き始めたら、慶大ナインには真新しい額縁の存在をあらためて思い出したい。

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