ネタを失った虎番にできること

[ 2020年4月5日 16:50 ]

記者が撮影した笑顔の北條史也(右)と糸原健斗(左)
Photo By スポニチ

 スマホとパソコンを見つめながら、いわゆる「テレワーク」の日々を送っている。新型コロナウイルス感染拡大の影響でプロ野球の開幕は2度の延期を経て“凍結”されることになった。何より、担当する阪神タイガースから伊藤隼、長坂、藤浪の3人が感染。チームは26日から活動を休止しており、再開時期は決まっていない。

 番記者も選手との接触は禁止され取材活動は行えず、執筆材料が極めて乏しい状況。未知のウイルスの猛威が「他人事」ではなくなり、飲食店舗の営業縮小、休業など、あらゆる職場に影響が出てきた今、新聞記者の取材規制が厳しくなるのも当然の流れだ。そんな状況で1つ痛感したことがある。朝から甲子園球場やファームの鳴尾浜球場に向かい、フリーに選手から話を聞くことができた「日常」が、新聞製作においていかに貴重で無くてはならない時間だったか。担当になって11年目。選手への取材、要所でのインタビューは当たり前だった。関西では特にタイガースの報道量は膨大。それが、ひとたび紙面の向こう側にいる読者や、ファンに届けるものが手元から無くなってしまい、記者として多少の無力感も感じた。

 当たり前のことを見つめ直す。テレワーク中には、そんなことを考える時間がたくさんある。そして、今できることは何なのか…ということも。野球だけでなく、サッカー、バスケットと各競技団体の「リアルな現場取材」が減少していく中、紙面では、スポニチのあらゆる担当、セクションの人たちが知恵を絞った企画が見られる。5日付からスタートした貯蔵5000万点の秘蔵写真を公開していく「レガシーン」もそう。スポニチの底力と言える連載だ。そして、私も細々とではあるが、スポニチ公認のツイッター、インスタグラムのアカウント上で過去に自身が撮影したタイガースの選手の写真を再度、アップし始めることにした。

 コロナ禍にあって、SNSを目にすれば溢れるネガティブな情報の隙間に、選手の笑顔が少しでも登場するように。「野球ロス」「虎ロス」の状態にあるファンの熱を開幕までにいかに“保温”“加熱”することができるか。来るべき時に聖地にその熱が解き放たれることを願って。(遠藤 礼)

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