大谷、2年ぶり二刀流開幕へ!一時帰国せず“米国残留”調整、指揮官「間に合う」

[ 2020年3月20日 02:30 ]

マリナーズ戦前、ベンチでバットを握るエンゼルス・大谷(共同)
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 18年の右肘手術から投手としても2年ぶりに復帰するエンゼルスの大谷翔平投手(25)が、投打二刀流で開幕を迎えることが濃厚となった。18日(日本時間19日)、ジョー・マドン監督(66)が電話会見で明かした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が最短でも5月中旬以降にずれ込む見通しとなり、大谷が投手復帰を目指していた時期と重なった。

 マドン監督は大谷について、電話会見でハッキリと答えた。

 「投手として開幕に間に合うかもしれない。この休止期間が投手としての出場をより多くする」。2年ぶりの二刀流復活を想像したのか、口調は高揚感が交じっていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で26日(日本時間27日)に予定された開幕は最短でも5月中旬以降にずれ込み、米メディアは6月や7月まで開幕が大幅に遅れる可能性にも触れている。大谷は元々、18年秋の右肘手術から5月中旬の投手復帰を目指していたため、十分に余裕を持ってマウンドに帰ってこられる計算だ。メジャー1年目だった18年の開幕直後は3試合連発&2連勝の快投で4月序盤に週間MVPを受賞し、チームの開幕ダッシュに貢献した。今季も開幕から二刀流でチームをけん引することになりそうだ。

 一方、当初は打者で出場しながら、投手としてはマイナー戦で調整登板する予定だった。しかし、マイナーも開幕延期のため、復帰までの具体的プランが不透明だ。紅白戦やシミュレーテッド・ゲーム(シート打撃)での調整登板が予想され、マドン監督は「今後も医療スタッフと連絡を取り合う」と語った。

 チームの本拠地アナハイムがあるカリフォルニア州は政府より一足早く非常事態宣言。マドン監督は大谷に「日本に帰ってもいい」と一時帰国を許可したことも明らかにした。球団によると、大谷は現在、キャンプ地のアリゾナに滞在しており、近日中に自宅がある南カリフォルニアに戻る予定だ。その後はアナハイムの本拠エンゼルスタジアムで調整するとみられている。大谷が帰国するかしないかは球団から明かされなかったが、移動による感染のリスクを考慮すると、帰国せずに“米国残留”が賢明な判断となりそうだ。

 マドン監督は「大谷が正しく準備できていることを確認するために時間をかけることは間違いない」と語った。焦らず、慎重に。新型コロナウイルスの感染拡大で揺れる大リーグ。大谷の二刀流復活が希望の光となる。(アナハイム・柳原 直之)

 ◇18年大谷の開幕直後の二刀流 4月2~8日の週間MVPを受賞。該当期間は打者では3戦連発を含む13打数6安打(打率・462)、7打点の活躍だった。投手では8日のアスレチックス戦で7回1安打無失点。12奪三振で2勝目を挙げ、7回1死まで完全投球を演じた。二刀流選手の受賞は、週間MVPが始まった73年以来初めて。メジャー1年目の日本選手で4月上旬の選出は過去最速、23歳9カ月も最年少と、記録ずくめの初タイトルだった。

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