開催されるとしても…帝京・前田監督「ベストの状態 難しい」

[ 2020年3月5日 05:30 ]

選抜高校野球 無観客試合で開催準備

帝京・前田監督(中央)
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 甲子園通算51勝の名将、帝京・前田三夫監督(70)は、大会運営委員会の発表を受けて出場32校のコンディションづくりの難しさを指摘した。開催か中止かの最終決定が11日に先送りされ、心配されるのは選手たちのモチベーションとコンディション。大会直前の2週間は試合勘を取り戻す大事な時期で、出場校の指導者、選手たちの心情を思いやった。

 最終決定したわけではないが、大会が開催された場合、出場校がベストの状態に持っていけるかは難しい。休校と同時に練習を中断している学校もあり、コンディションづくりが指導者の心配の種だ。

 大会前のこの2週間は、試合勘を取り戻す大事な時期となる。冬を越して実戦的な練習を取り入れ、本来なら8日から対外試合が解禁になり、各校は遠征や対外試合を組む。甲子園へ向けてチームのメドもつけるところなのだが、現状では一番大事な試合勘を取り戻す実戦が組めない。

 かつてセンバツ前に対外試合ができない時代もあった。当時は紅白戦などで試合を想定しながら練習をやったが、今回は自校での練習に限って認められたという。そうなると部員の少ない学校は紅白戦もままならず、北海道の2校など雪国の学校は土の上での実戦を経験できない。大きなハンデになってしまうことが懸念される。

 何より、選手たちのモチベーションの維持が心配だ。大会の開催が未決定のまま、開催されたとしても無観客試合となる。練習に集中できないところもあるだろう。まだ感染拡大が止まっていない状況で、他競技の大会が相次いで中止となっている今、選手たちは本当にかわいそうだ。

 開催の可否は11日に決まるという。開催となった場合、せっかく甲子園に出てきても練習不足が試合に出てしまうかもしれない。それでも、出場32校はここまで頑張ってやってきた。何とかベストの状態で試合をやらせたい。切にそう願う。 (帝京監督)

 ○…センバツで東京地区の補欠校となっている帝京は、同校の休校に合わせて2月28日から部活動も休止。春の都大会開催など今後の大会の方向性が出てから練習再開する予定でいるが、情勢次第で活動停止を延ばす可能性もあるという。すでに夏へ向けて再スタートを切っていたが、前田監督は「国中が大変な時期。健康に、命に関わる問題ですから慎重に考えています」と話した。

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2020年3月5日のニュース