阪神「2番・近本」勝負強い!得点圏で存在感、実戦3試合でチームトップ6打点

[ 2020年2月12日 05:30 ]

練習試合   阪神5―0日本ハム ( 2020年2月11日    名護 )

<練習試合 日・神>4回2死二、三塁、近本は2点適時二塁打を放ち、二塁に向かう(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・近本光司外野手(25)が11日、日本ハムとの練習試合(名護)に「2番・中堅」で先発出場し3試合連続で打点を挙げた。1点リードの4回2死二、三塁から右翼線に2点二塁打し実戦3試合でチームトップの6打点。勝負強さも発揮し、矢野監督の「2番構想」にクラッチヒッターとしても応えている。

 今年の近本は昨年以上に頼りになる。凡退すれば一気に相手に流れがいきそうな局面でしっかりと結果を出し、勝利へ導いた。1点リードの4回。無死二、三塁としながら2人が倒れ2死。自身は2打席無安打で迎えた3打席目で快音を発した。カウント2―2から日本ハム・玉井の内角スライダーを引っ張り右翼線に運んだ。

 「追い込まれてからしっかりラインを意識して打てました。あまり深く考えずに還そうと思っていました。(直前の)インコースの真っすぐをファウルできたので、配球の球種も絞れて、スライダーにもうまく反応できたのはよかった」

 迷わず三塁を狙ったが、二塁を回ったところで転倒し左腕を地面にぶつけるハプニングに見舞われた。4回の守備から退き、影響が心配されたが試合後は左肘にばんそうこうを貼っただけで、杞憂(きゆう)に終わった。

 とにかく勝負強い。チーム初実戦だった8日の中日戦からこの日まで得点圏に走者を置いた場面で結果を残す。順に右中間三塁打、右越え本塁打、そしてこの日の右翼線二塁打。すべて引っ張っての長打だ。昨季に放った159安打中、内野安打33本を除いた安打方向は右方向35%(44本)、中堅方向38%(48本)、左方向27%(34本)。中堅から反対方向が目立ったが、今季は引っ張って結果を出している。

 昨季の得点圏打率は・230だったが、今春はクラッチヒッター(好機で特に活躍する打者)としてチーム最多6打点。視察した広島の田中彰スコアラーも「さすがですね。長打もあるのは去年から分かっていますが、今年もやりそうな雰囲気がある」と警戒を強めた。

 ただ、近本自身は満足していない。初回1死無走者では投ゴロ。「走者がいない時にチャンスメークができていない。集中してできるようにしていきたい」。昨季は2番打者として28試合出場で打率・282だっただけに目指す理想は高い。

 キャンプではタイカッブ型の、長さが異なるバットを試用しグリップエンドにスイングの軌道などを数値化できる器具を装着するなど探究心を持ち続ける。昨秋の強化指定練習で励んだ、瞬発系のメニューで体のキレが増したことも結果につながっている。盗塁王を獲った足はもちろん、今年の「2番・近本」には勝負強さも加わっている。(長谷川 凡記)

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