広島・山口 ボクシングトレで球速アップだ!球団高卒初の新人王狙う

[ 2020年1月20日 05:30 ]

広島の山口
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 広島・山口翔投手(20)は19日、「ボクシングトレ」の導入を明かした。瞬発力向上での球速アップが狙いで、155キロを目標値に設定。高卒3年目を迎える今季も新人王資格を有しており、2007年田中将大(楽天)以来、球団では史上初となる高卒投手の新人王に意欲を示した。

 新たな挑戦は、殻を破るための「はじめの一歩」である。山口は、中村祐からの誘いをきっかけに「ボクシングトレーニング」を導入した。

 「瞬発系の力がない。投げる前に力が入って、最後のリリースのところで力が抜けるので、体の強さを出したいと思った」

 年始から週3日程度、広島市内のトレーニング施設に通い始めた。ボクシンググローブをつけて、投球動作からのミット打ちを繰り返す。「めっちゃきついです。ボクサーは凄いな…って。肺とか足にも全身に疲労がくる」。合同自主トレでの力強いキャッチボールは、新たな練習法の効果を物語っている。

 「だいぶいいですね。力感なく投げる瞬間にだけ“ピュッ!”という感覚を出せるようになった」

 昨季は、5月30日のヤクルト戦でプロ初先発初勝利を挙げるも、この1勝にとどまった。「自分の直球が投げられれば通用する感覚はありました。でも、途中で腕も振れなくなって…。初心に戻って“打てるものなら打ってみろ”の感じでもっと腕を振りたい」。最速151キロの直球は次第に威力を失い、終盤の不調に直結した。

 「ボクシングをやってみると、体が弱いからすぐヘロヘロになる。強くなれば、球速もさらに出ると思う。まずは155キロが目標。いずれは160キロを投げたい。もっと真っすぐを極めたいです」

 同じ熊本出身の同学年、ヤクルト・村上は36本塁打で新人王を獲得。一方の山口は、通算投球回数26イニングと、3年目を迎える今季も新人王資格(30イニング以下)を有している。

 「まだ新人王の権利があるので獲りたい。村上に先に獲られた。去年は(8月22日同戦で)本塁打を打たれたのでリベンジです」

 高卒投手で新人王を獲得すれば07年田中将大(楽天)以来、球団では史上初の快挙となる。「最低5勝はしたいです」。先発陣への殴り込みへ、渾身(こんしん)の右ストレートが必殺技となる。(河合 洋介)

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2020年1月20日のニュース