女子プロ野球“レジェンド”小西美加さん 世界へ普及プロジェクト 来年1月ブラジル、パラグアイへ

[ 2019年12月22日 08:30 ]

「こにたんプロジェクト」メンバーの(右から)高知ファイティングドッグス副社長の北古味潤氏、小西美加さん、元JICA日系社会青年ボランティア・ブラジル派遣隊員の廣瀬拓哉氏
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 女子プロ野球リーグを今季限りで退団した“レジェンド”小西美加さん(36)が、世界中に女子野球を普及させるために「こにたんプロジェクト2020」を立ち上げ、来年1月20日にブラジル、パラグアイに向けて出発することになった。

 小西さんといえば、同リーグの創設期メンバーで、投手野手の二刀流として話題を集め、MVPを2度受賞したほか、10年目となった今季は最多勝のタイトルを奪還する活躍を見せ、女子野球の普及・発展を目指し、リーグをけん引してきた。

 その小西さんが立ち上げたのが「こにたんプロジェクト」。「憧れの小西選手とキャッチボールがしたい」と、将来の夢として「日本の女子プロ野球選手」というブラジルの野球少女エミリーちゃんに会うことに加え、女子野球が未開発である南米の野球少女に対して「世界中の女子野球を普及したい」という小西さんの思いが込められたプロジェクトだ。「2、3年前、南米から日系人の野球指導者が日本の最新の野球を学びに(独立リーグの)高知ファイティングドッグスに研修に来ていて、私も別件で高知にいたこともあり、現地でいろいろとコミュニケーションをとる中、女子プロ野球リーグがあることを知っていただき、興味をもってくれたんです」と小西さん。続けて「指導者の方が、子どもたちの指導法などに困っていたようで、現地に来てぜひ子どもたちに見せてほしい」と声をかけられたという。

 早速、現地の野球事情を調べたという小西さんは「ブラジルの女の子は野球を12歳までしかできない、球技を続けたければ13歳にならないとソフトボールができないとか、ほとんどの予算がサッカーに使われて、野球道具がほとんど売っていないなど野球に予算が回ってこない感じです」と、20年前に小西さんが日本で感じた女子野球界の事情と重なったという。

 今回のプロジェクトは来年1月20日に日本を出発し、2月5日までブラジル6都市とパラグアイ4都市を訪ね、ブラジルの野球少女エミリーちゃんに会うほか、国際協力機構(JICA)や現地野球連盟、各関係機関などを通じて、各都市で野球教室や体験会を行う。また、募金活動を行い、プロジェクト賛同者の思いと、集まった資金で購入したグローブや野球帽、特製Tシャツ、ボールなどを現地の子どもたちにプレゼントする。

 プロジェクトの活動に向けて「野球途上国で、私が経験してきた野球がやりたくてもできない苦しみを味わっている方々に、一人でも多く野球の楽しさを感じていただきたい。今回は第1弾としてブラジルとパラグアイに行きますが、今後も第2、3弾と、日本中の方々の思いを背負って長期的に世界中から必要とされるプロジェクトとしていきたい」と小西さんは今後のプロジェクトの活動に向けて意欲を見せている。

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