槙原寛己氏 侍Jを分析 隙見せた6回の継投 硬さ目立った初戦

[ 2019年11月6日 08:33 ]

第2回 WBSCプレミア12 1次ラウンドB組   日本8―4ベネズエラ ( 2019年11月5日    台湾・桃園 )

6回2死二、三塁、マチャドのニゴロで失点する大竹(撮影・岡田 丈靖)
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 【槙原寛己氏が見たベネズエラ戦】わずかな隙を見せれば相手につけ込まれる。国際試合の鉄則だ。ベネズエラ投手陣の自滅で勝つには勝った日本だが、6回の継投は見せてはいけない「隙」だったように思う。

 同点で迎えた1死二、三塁。ベンチは大竹をマウンドに送ったが、この起用はどうだったか。大竹はシュートを中心にしたゴロピッチャー。しかしここは、フォークが武器の甲斐野を使って三振を狙わせる場面だった。1点も与えない「賭け」に出ても良かった。
 結果は二ゴロ。狙い通りのゴロに打ち取ったが、二塁手と遊撃手は「1点OK」の定位置で守っていた。確かに前進守備では、ゴロで内野の間を抜けるリスクは高くなる。そうなると2失点。侍ベンチは1点ならよしだったはずだが、国際試合での1点は重い。この勝ち越し点に、さらに1点を追加されたことで日本は焦り、後手後手に回った。最後まで苦しむ要因になった。

状況に応じた柔軟な起用。登録選手が少ない国際試合では、ピンポイントの狙いで、適材適所の用兵が肝になる。代打、代走もそうで、絶対に1点が欲しい場面で登場する足のスペシャリスト・周東を例にすれば分かりやすい。投手の起用でいえば、併殺を狙うなら大竹で、三振を狙うなら甲斐野。幸い、ルーキー右腕はこの日の好投で今後、使えるメドが立った。2戦目以降の継投の鍵を握る投手になると思う。

 チームは初戦で硬さが目立った。8回の第5打席で代打を送られた坂本勇も、タイミングが合わずに苦労していた。今日のプエルトリコ戦の先発は右投手。坂本勇も含めて打順を大幅に入れ替えるのも手だ。どんな形でも初戦を取ったのは大きいが、勝ち抜くためにはくれぐれも「隙」を見せてはいけない。(本紙評論家)

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2019年11月6日のニュース