亡き友に捧げる魂の1勝 エンゼルスの選手の目に涙

[ 2019年7月3日 15:19 ]

ア・リーグ   エンゼルス9―4レンジャーズ ( 2019年7月2日    アーリントン )

泣きながら思いを語るヒーニー(中央)の肩をたたくトラウト(AP)
Photo By AP

 エンゼルスは敵地アーリントン(テキサス州)でのレンジャーズ戦に9―4で勝利。連敗を3で阻止して勝率を5割(43勝43敗)に戻したが、選手たちの目からは悲しみの涙がこぼれ落ちていた。

 タイラー・スカッグス投手(享年27)がホテルの自室で遺体となって発見された翌日の一戦。前日に続いて試合をキャンセルするという選択肢もあったが、コール・カルフーン外野手(31)が「試合に戻ることを彼(スカッグス)も望んだはず。きょうは全員が一致団結した日」と語ったように、選手たちは“プレーボール”の声を聞くことを決意して球場に足を運んでいた。

 そのカルフーンは8回にダメ押しの18号2ラン。「こんなときにどうやって戦えばいいのかというマニュアルなどないが、きょうは何もかもが違っていた」と、まさに魂をこめた会心の一発だった。

 スカッグスと2009年のドラフトで同期だったマイク・トラウト(27)はヒットこそなかったが3つの四球を選んで勝利に貢献。しかし勝者として表情はなく「ずっと彼のことばかり考えていた。言葉では説明できない。チームメートと親友を同時に失って、しかもそれに耐えなければいけない。つらくて仕方がないよ。しかもこれからの数日、これからのシーズン、そしてこれからの人生も同じだ」と試合後の会見では言葉もつまりがちだった。

 試合前にスカッグスのユニフォームを手にして黙とうのために整列した投手仲間のアンドリュー・ヒーニー(28)は「予期せぬ出来事。彼をもう一度、マウンドに立たせたかった」と口にすると号泣。ブラッド・オースマス監督(50)も「勝ったことで何かが変わった」と語ったものの「この24時間は本当につらかった」と苦しい心の内を吐露していた。

続きを表示

この記事のフォト

2019年7月3日のニュース