辻西武 32年の時を超え伝説の走塁再び、源田激走 原巨人倒した

[ 2019年6月12日 05:30 ]

交流戦   西武4ー0巨人 ( 2019年6月11日    メットライフD )

<西・巨>初回2死一塁、山川の中前打と丸のエラーで一塁から長駆ホームインする源田(撮影・森沢裕)
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 昭和の伝説が、令和によみがえった。西武は11日、巨人戦の初回2死一塁から一塁走者・源田壮亮内野手(26)が、山川穂高内野手(27)の中前打と巨人の中堅・丸佳浩外野手(30)のファンブルの隙を突き、長駆先制の生還。両軍による87年日本シリーズ第6戦での西武の「伝説の走塁」が再現され、負ければ貯金を失う危機を脱した。

 大歓声の中、一塁走者の源田が三塁を駆け抜ける。球場も同じなら、失策絡みながら単打で一塁からホームインしたのも同じだ。32年前。伝説の主人公だった辻監督の脳裏にも、当時のシーンが克明に浮かんでいた。

 辻監督 よみがえったろう?(報道陣も)そう思うだろうな、と思ったよ。俺も思い出したから。

 初回2死一塁。4番・山川の場面で、一塁走者の源田はフルカウントからスタートを切った。打球は左中間寄りへの痛烈な当たり。回り込んで捕球しようとした中堅手の丸が、わずかにボールをファンブルした時には、源田は三塁ベースの手前まで到達していた。

 「辻監督の(走塁)は知っていました。今日はエラーですけど…。いい走塁だった?はい」。三塁コーチャーの黒田内野守備走塁コーチも、ちゅうちょなく右腕を回した。「打球が正面ならもっと早く止めていた。左中間寄りだったし、エラーがなくても(腕を)回す意識はあった」。先制点を生んだ好判断に好走塁。2つの要素が伝説をよみがえらせた。

 87年の巨人との日本シリーズ。11月1日の第6戦の8回、中堅手・クロマティの緩慢なプレーの隙を突いて一塁走者が本塁を奪った。その走者こそ、現在指揮を執る辻監督だ。敵将の原監督も主砲を務めており、2人は同じ58年生まれの60歳。監督としては初対決となった交流戦で、時空を超えたシーンが再現された。

 辻監督 源田は足が速い。相手は“ひょっとして…”というのがあるし、それが焦りを生む。(走力は)うちの大きな戦力だよ。

 ゴールデングラブ賞を6度受賞の丸も「ちょっと急ぎ過ぎた。気持ちがはやったし、(打球から)目を切るのが早かった」と焦った。変わらない西武の伝統に強さの源泉がある。

 辻監督 でも俺の時は(スタートを切って)走ってないし、(守備で)ジャッグルもしていない。そう考えると凄いな。

 試合後、当時の自身の走塁を冗談めかして自画自賛。報道陣を笑わせた辻監督は、最後に言った。「今日のは伝説やないやろ」――。ニヤリとしたその表情は、32年前に戻ったようだった。 (鈴木 勝巳)

 ▽87年日本シリーズの「伝説の走塁」 3勝2敗で迎えた第6戦、西武は2―1の8回2死一塁で秋山が左中間寄りの中前打。伊原三塁コーチは巨人の中堅・クロマティの緩慢な動き、中継に入った遊撃・川相の隙を突き、右手を大きく回して一塁走者・辻を一気に生還させた。これがダメ押し点となり、西武は日本一となった。

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