ヤクルト 青木、初の代打弾はサヨナラアーチ!「めちゃくちゃ興奮」

[ 2019年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―3中日 ( 2019年4月6日    神宮 )

<ヤ・中>12回2死、代打サヨナラ本塁打を放ちナインに出迎えられる青木=中央(撮影・久冨木 修)
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 何を叫んだか覚えていない。ヤクルト・青木は三塁を回ると、夕闇が濃くなった空を見上げ絶叫。ナインが待つホームへと歓喜のジャンプだ。延長12回2死無走者。筋書きのないドラマの主役は、最後の最後に登場した。

 「狙っていた。とはいえ、本当に打てるとは思わなかった。めちゃくちゃ興奮している」。3球目、小熊の143キロの外角直球を迷わず振り抜いた。「三振でもいい。甘いボールは思い切りいく」。青木の、ナインの、神宮を埋めたファンの願いが届く。今季2号の代打サヨナラ本塁打は逆方向の左翼席へ。国内でのサヨナラ弾は05年8月26日横浜戦以来、4971日ぶり。代打アーチは日米通算129本目で初めてだ。

 37歳のベテラン。ナイター明けのデーゲームで、今季初の休養日の予定だった。しかし接戦となり、6回から代打の準備を開始した。ベンチ裏で素振り。半袖のアンダーシャツを気温の低下に合わせて長袖に着替えた。「体を冷やさないようパーカも羽織った」。集中力を切らさず出番を待った。試合時間4時間19分。真打ちは、まさに千両役者だった。

 「振り」が強い。7年ぶりに日本復帰した昨季は、手探りで打ちにいくスイングも多かった。相手投手を十分に把握した今季のテーマは「強く振る」。春季キャンプでは連日のランチ特打。マリナーズを引退したイチローのように、全て柵越えを狙う日もあった。その取り組みが生きた。

 「チームの諦めない姿勢。それを体現できた」。2カード連続の勝ち越しを呼んだ青木の一発には、野球の醍醐味(だいごみ)がたっぷり詰まっていた。(鈴木 勝巳)

 ▼ヤクルト小川監督 本当に凄い。劣勢の展開で粘って粘って、最後にこれだから。野球は分からない。この勝ちは大きいよ。

 ▼ヤクルト石川(6回0/3を5安打2失点。球団記録の入団から18年連続白星は逃すも)青木の一発はしびれました。中継ぎも頑張っていたし、自分もああいう投球をすればチームの勝利につながると思った。

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