楽天・松井 驚異のハイペースで三振の山を築く

[ 2019年2月14日 09:30 ]

<楽天キャンプ>ブルペン投球する松井(撮影・三島 英忠)
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 【宮入徹の記録の風景】 非凡な三振奪取能力は証明済みだ。6年目を迎える楽天の松井裕樹投手(23)は、通算370回を投げ、奪った三振が457。区切りの500奪三振にあと43まで迫っている。500奪三振の最速記録は95年佐々木主浩(横浜)の383回。以下07年藤川(阪神)387回1/3、17年サファテ(ソフトバンク)389回2/3と右投手が続く。左腕では68年江夏豊(阪神)の441回2/3が最速ペース。今季の松井がこの記録を51年ぶりに更新するか注目される。

 松井の何よりの強みは誰からも三振を奪えること。通算243人の打者と対戦しているが、うち175人から奪三振を記録。全体の72%と高い比率を誇る。特に通算10打席以上対戦した打者54人中、奪三振0は昨年限りで現役を引退した本多雄一(ソフトバンク=14打席)しかいない。一方、2桁奪取は柳田(ソフトバンク)、T―岡田(オリックス)各13、浅村(西武=今季から楽天)10と3人いて、こちらはタイトルホルダーばかり。強打者相手に真っ向勝負で結果を残している。

 もうひとつ松井の負けん気を示す数字がある。先発4番打者との対戦成績だ。昨年まで延べ160人の4番打者と対戦して、138打数24安打、被打率・174と2割未満。被本塁打は昨年8月22日オリックス戦で吉田正に打たれた1本だけだ。通算被本塁打は13本と少ないが、先発打順別の最多は5番の4本。次いで6、9番と代打の2本、1、4、7番が1本となっており、2、3番にはプロ入り以来、1本も許していない。

 昨年の楽天は58勝82敗3分け(勝率・414)で優勝した西武と29・5ゲームの大差をつけられ、最下位に沈んだ。松井は53試合に登板し、5勝8敗5セーブ(防御率3・65)。17年の3勝3敗33セーブ(防御率1・20)から大きく成績を落とした。中でも西武戦は9試合に登板し、1勝2敗0セーブ(防御率8・31)と散々。松井の不調が対西武戦6勝19敗の一因にもなった。

 当然ながら今季は雪辱のシーズンになるが、西武戦の各年防御率を出すと14年5・29、15年0・00、16年2・77、17年0・00、18年8・31。お気づきだろうが、奇数年は全て防御率0・00。15年は11回打者38人、17年は6回21人と対戦していずれも被安打2本で無失点と圧巻の投球を披露している。奇数年の今季も無失点継続の期待がかかる。

 平石監督の構想では松井はストッパーでの起用になりそう。昨年は51試合にリリーフ登板し、イニングの先頭打者を安打か四球で出塁を許したのが18試合。うち失点したのは61%に当たる11試合もあった。一方、先頭打者をアウトにした33試合中、失点したのは21%に当たる7試合まで減少。登板直後の打者をどう打ち取るかが、課題になるだろう。

 松井は15年にリリーフで103奪三振を記録。リリーフ100奪三振は球団史上初めてだった。左腕で2度のリリーフ100奪三振は、角三男(巨人)が80年110、81年121と積み上げたのが最後。今季の松井が乗せれば実に38年ぶり、パ・リーグでは初の快挙になる。昨年の悔しさをバネに巻き返すことが出来るか。強力左腕のパフォーマンスが楽しみだ。(敬称略)

◆宮入 徹(みやいり・とおる)1958年、東京都生まれ。同志社大卒。スポニチ入社以来、プロ野球記録担当一筋。94年から15年まで記録課長。

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