阪神・矢野監督 若虎に1面ジャック指令「オレも現役時気分が良かった」

[ 2019年1月11日 05:30 ]

えべっさんの日に来社した矢野監督は福箕を手に本社社員とガッツポーズ (撮影・奥 調)
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 阪神の矢野燿大監督(50)が10日、揚塩健治社長ら球団首脳とともに新年あいさつで大阪市北区のスポーツニッポン新聞大阪本社を訪れた。ファンの大きな期待を背負う、就任初年度。目指すは14年ぶりの頂点だけだ。前年最下位からの巻き返しに燃える新指揮官は、若虎たちに新聞の「1面ジャック」を指令した。

 30社以上に及んだ在阪マスコミ、スポンサーへの年始あいさつ回り。その大トリとなったのが、スポニチだった。矢野監督は11年から5年間、本紙評論家として健筆を振るった経験を持つ。スポーツ紙の良さを知る1人として、若虎に1面ジャックの指令を下した。

 「(シーズンが始まって)監督のオレが1面になるのは、あまり良くないことなのかな、と思う。それより選手にどんどん1面を飾ってもらうことが、オレにとってもうれしいことやから」

 昨オフの1軍監督就任以来、ファンサービスの徹底を何度も口にしてきた。就任1年目の今オフはその一環として様々な話題を提供してきたが、それもシーズンが始まるまでで良い。開幕後は選手が主役。球場で素晴らしいプレーを見せることはもちろんだが、新聞記事を通じて虎党に感動を届けることもできる。様々なファンサービスがある中で、その最たるものが、試合での勝利。その一戦で最も輝きを放ったものに与えられる1面は、選手自身の成長を促すことも知っている。

 「新聞の1面に取り上げてもらえることは、すごく価値のあることやから。(他球団と比べても)反響の大きさは全然違うと思う。良いことでしか1面にはならないし、オレも現役時、1面で書いてもらったときは気分が良かったしね。活躍した次の日は“きょうはオレが1面かな?”と思いながら、新聞を取りにいったことを覚えている」

 阪神に移籍した98年からは何度も何度も1面を飾った。勝負強い打撃だけではなく、投手の好投をアシストした一戦で“主役”を張ることあった。現役晩年は「必死のパッチ」を始めとするお立ち台でのメッセージ、類い希なコメント力でも注目された。

 「うちには若手だけでなくいろんなキャラクターがいる。中堅もそうやし、経験豊富なベテランもいる。紙面を通じてみんなの魅力を伝えてほしい」

 阪神が勝利すればするほど、明るく、魅力ある紙面づくりができる。巻き返しを期す今シーズン。若虎の1面ジャックを大いに期待したい。

 《昨年スポニチ創刊70周年トークショーで指揮官助言》兵庫県西宮市にある武庫川女子大の野球部スローガンが『Burn it up!』に決まり、阪神・矢野監督に報告した。昨年11月23日にスポニチ創刊70周年記念として行われた矢野監督によるスペシャルトークショーで、同部主将の村上更沙さんが「全国4強の壁を破れないのでスローガンを考えてください」とお願いしたところ、「どう勝ちたいのか、みんなで共有して自分たちで決めるべき」と返され、燃えろの意味が込められた力強いフレーズを選んだ。

 矢野監督は「みんなで共有するのは大事。そこに立ち返って気持ちの確認もできる」と話し、準決勝を戦う前には彼女たちが一丸で闘志を燃やしている姿をイメージ。タイガースのスローガン同様、壁をぶち破ることを期待していた。

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