長野が坂本が…GM退任の堤氏への思い 活躍で恩返しを

[ 2017年6月15日 10:15 ]

昨年1月の新人合同自主トレで笑顔を見せる高橋監督と堤GM
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 巨人が異例の人事を敢行した。シーズン前半戦でのドタバタ劇。13日、堤辰佳GM(51)が退任し、後任に鹿取義隆GM特別補佐(60)が就任すると発表した。今季は球団史上ワーストの13連敗を喫するなど5位に低迷。堤GMが事実上の更迭となった形だ。

 選手には、各々の思いがある。選手会長の長野は「選手会長としてお話をさせてもらう機会が多かった。チームに貢献できていないので、申し訳ない気持ちしかないです」と話した。打率は・242(13日現在)。復調気配はあるが、開幕から調子が上がらず、スタメンから外れることが多かった。責任感の人一倍強い男は「まだまだ絶対チャンスはあると思うので、頑張ります」と静かに話した。

 主将・坂本勇は「結果が出ていないというのは選手にも凄い責任がある。しっかり受け止めたい」と思いを巡らせた。13日はソフトバンクに5―1で快勝。4点差以上をつけて勝ったのは5月21日DeNA戦以来、実に24日ぶりだった。長野は左中間二塁打を放つなど2安打、坂本勇は決勝打を含む3安打。2人がバットでけん引した。

 プロ5年目の柿沢は、感謝の思いを胸に秘める。昨年12月に小山との交換トレードで、楽天から移籍した。14年オフに戦力外通告を受けたが、育成選手として再出発していた苦労人。1軍出場はなかったが、堤GMからは「うちにいないタイプ。ブンブン振って、自分の持ち味を出してほしい」と期待の声をかけられたという。新天地への不安がある中「評価してもらっていることが凄く嬉しかった」と振り返る。

 DeNAからFA移籍した山口俊の思いも複雑だろう。退任劇は、移籍後初登板の前日だった。入団会見では「堤GMから熱心な言葉をいただいた。それがきっかけ」と経緯を話していた。右肩痛で開幕から出遅れたが、巻き返しは可能な時期だ。日本ハムからFAで新加入した陽岱鋼(ヨウダイカン)も、下半身の張りから6月6日西武戦で復帰。安定した活躍を見せている。堤氏の思いが結実すれば、浮上のチャンスはまだある。(記者コラム・神田 佑)

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2017年6月15日のニュース