大ブーイングと「おかえり」ボード 楽天・岸 古巣斬りで12球団勝利王手

[ 2017年5月8日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天3―2西武 ( 2017年5月7日    メットライフドーム )

<西・楽>ブーイングも何の!7回2失点の好投を見せた楽天・岸
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 古巣斬りで、球団史上初の20勝一番乗り!昨オフにFA移籍で新加入した楽天・岸孝之投手(32)が7日、西武戦に先発し、7回6安打2失点で今季2勝目を飾った。3点リードの7回には、4番・中村剛也内野手(33)との対決で、この日最速となる149キロをマーク。こん身の1球は場外弾となったが、昨年までの同僚と力勝負を楽しんだ。これが11球団目の白星となり、12球団制覇にも王手。かつての本拠地で浴びたブーイングも、頼もしい右腕はパワーに変えた。

 ヒーローインタビューで岸の名前が呼ばれると、スタンドから飛んだブーイングが屋根に反響した。かつての本拠地で古巣を相手に7回2失点で今季2勝目。「同じチームで見ていて嫌だなと思っていた打線と真剣勝負ができる。楽しんで投げた」と異様な雰囲気にも表情は柔らかかった。

 試合前に先発がコールされたときも、マウンドに上がったときも、そして2回に女房役の足立がマウンドに向かった際にもブーイングが起こった。「(ブーイング)されるだろうと思っていたので、気にしなかった」。ブルペンではヤジも飛んだ。「おまえ、そのユニホーム似合わねえんだよ!」。スタンドを振り返ったが、小さな子供が「岸くん、おかえり」というボードを持っていた。これを見て「落ち着いた」と平常心で臨めた。

 6回まで3安打無失点と完璧だった。ただ、7回に自身の内に潜む「野球小僧」が顔を出した。1死で迎えたのは主砲・中村だ。1ボール2ストライクからの5球目。直球のサインが出た。「3点取ってもらっていたので、力と力の勝負がしたくなった」。思い切り腕を振った。この日最速149キロ。しかし、場外まで運ばれた。「やってみたけど反省ですね。今後はしない」。続くメヒアにもソロを浴びたが、1点リードを守った。言葉とは裏腹に、その表情はすがすがしかった。

 新人から10年間所属した西武に恩義を感じている。昨年11月、岸はファン感謝デーに参加し、あいさつの時間を設けてもらった。「支えてくださったファンの皆さんにあいさつもせずにいなくなるのは嫌でした」――。ただ、マイクを持つと込み上げるものがあり、予定より短くなった。「(伝えたい)思いは伝わったのだろうか」。後悔の念を周囲に漏らした。

 ファンとの再会。移籍の決断が正しかったと証明するためにも好投が使命と思った。「早めに勝てて良かった。ホッとした」。喜びより安どが勝った。これで岸は11球団から勝利を挙げて12球団制覇へ、残すは6月9日からの交流戦で激突する広島だけ。過去17人だけの記録で「狙いにいきますよ」と色気を出した。

 チームは両リーグ通じて球団史上初の20勝一番乗りで、貯金も今季最多の13とした。「これからも一丸となってやっていきたい」。西武からFA移籍したのは故郷・仙台に恩返しをするため。もちろん東北のファンは13年以来、2度目の日本一を待ちわびている。 (黒野 有仁)

 ≪過去9チーム中8チームが優勝≫楽天が両リーグ20勝一番乗り。27試合目での20勝は09年の33試合を抜く球団最速で、リーグ20勝一番乗りは創設13年目で初めてだ。また、27試合以内でパ20勝一番乗りは

年 球団 試  順位

50毎日25  V

55南海25  V

62東映23  V

63南海27 (2)

65南海26  V

78阪急26  V

79近鉄26  V

90西武26  V

91西武27  V

17楽天27  ?

 延べ10チーム目になるが、過去9チーム中8チームが優勝している。

 ≪対戦全球団勝利に王手≫岸(楽)が古巣の西武戦で初勝利を挙げ、カード別では11球団目の勝利。未勝利は広島戦(0勝7敗)だけとなり、過去17人だけの対戦全球団勝利に王手をかけた。

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