金本監督ノッてる!攻めの継投 桑原ズバッ「うまくハマった」

[ 2017年5月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―0広島 ( 2017年5月7日    甲子園 )

<神・広>完封リレーを締めた藤川(22)らを出迎える金本監督(左端)
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 その采配に迷いはなかった。2点リードの6回2死一、二塁、打席に8番・会沢。ここが勝負どころと判断した。香田投手コーチから「代えましょう」と進言を受けた阪神・金本監督は即座に決断。無失点投球を続けていた先発の能見に代え、桑原を投入した。

 「ちょっとコントロールが乱れ始めたかな…というのも感じ取れて、香田コーチからも“代えましょう”ということでね。限界かなということで。うまくハマった」

 試合の「潮目」を読み切っていた。「おそらく会沢の次は(代打の)エルドレッドかなと。2点差だったので(大事に)ね。(能見は)会沢に前の打席で打たれてもいたので」。続投させて会沢に一打を浴びれば、相手に流れを渡した上で難敵・エルドレッドを迎えることが確実。そこで継投…では遅きに失する。だから先手を打った。桑原も期待に応えて会沢を遊ゴロに料理し、「流れを渡さなかったのがよかった」と振り返った。「攻めの継投」が流れを自軍に引き寄せ、直後の3得点を呼び込んだ。

 「やっぱり、前回の甲子園の3つ目を取れたのがすごく大きかったと思う。(今カードは)2試合が逆転勝ちで、きょうは完封勝ち。本当ちょっと奇跡的な勝ち方も昨日はあったりしたけど、あきらめないということと、投手がしっかり抑えて打つべき人が打つと、きょうみたいな試合になるということ」

 甲子園球場での広島3連戦3連勝は11年ぶり。布石として挙げたのは、4月16日の同戦(甲子園)だ。この日と同じように5回1失点で先発の能見を降ろし、総力戦の末に2―1で勝ち切った。「すごくポイントになる試合」と手応えを強調していた通り、あの日を起点に広島戦4連勝。昨季7勝18敗と苦しめられた相手に今季は目下6勝3敗で優位に立った。

 その現状を自信にはすれど、慢心はない。「苦手意識とか、得意意識とか、どうこうはまったく意識せず戦っていかないと、すぐ足をすくわれる。まあ自信にはして。去年は去年。今年は今年なので」。勝ってもカブトの緒を締めることを忘れなかった。貯金8へ伸ばし、2位の広島に1ゲーム差を付けた。だが、戦う姿勢は変わらない。9日からの巨人2連戦(東京ドーム)でも目の前の相手に「挑む」のみだ。(惟任 貴信)

 ≪広島戦甲子園3連破は11年ぶり≫阪神は今季初の5連勝と同一カード3連戦全勝。5連勝は昨季9月19日からシーズン終了まで7連勝して以来。またカード3連戦全勝も昨季8月23〜25日のDeNA戦以来。広島戦に限れば13年7月5〜7日のマツダ以来4年ぶり。主催試合では3戦目を京セラドームで行った11年9月6〜8日以来6年ぶり。甲子園の3連戦では06年9月26〜28日以来11年ぶりになる。なおこの間、阪神は15、16年に1度ずつ広島に甲子園3連戦全敗を喫している。

 ≪貯金8は621日ぶり≫チームの貯金8は15年のシーズン最多に並ぶもので、同年8月25日以来621日ぶり。

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2017年5月8日のニュース