5打点の阪神・鳥谷 絶口調!珍し先輩・福留イジリ「このまま継続」

[ 2017年5月8日 05:55 ]

セ・リーグ   阪神6―0広島 ( 2017年5月7日    甲子園 )

<神・広>4回2死二、三塁、右前に先制の2点打を放ち、雄叫びを上げる鳥谷
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 阪神が7日の広島戦(甲子園)に6―0で快勝し、今季初の5連勝へ伸ばした。鳥谷敬内野手(35)が先制打を含む2安打5打点の大活躍。甲子園球場での広島3連戦では06年以来の3連勝へ導いた。球団史上初だった前日6日の9点差逆転勝利で奪った首位の座を堅守。今季最多の貯金8で2位・広島を1差へ突き放し、一気に首位固めの予感が漂ってきた。

 満員の甲子園のお立ち台がこれほど似合う選手はいない。ゴールデンウイーク最終日の聖地で鳥谷がまばゆく輝いた。2本の2点適時打と右犠飛で計5打点の大暴れ。新旧主将で立った殊勲の壇上ではクールな男には珍しい先輩イジリでファンを沸かせた。

 「(福留は)キャプテンマークを付けて、素晴らしいプレーをしてくれていると思います。キャプテンになられてからチーム状態がいいので、このまま継続だと思います!」

 伏線は昨オフだ。不振に苦しんだ鳥谷の重圧を軽くすべく、福留が主将就任を快諾。ただ、「僕はトリから預かるだけ」と公言していた。4歳上の先輩から改めて「僕はただマークを付けているだけ。陰で全部、鳥谷が動いてくれているので助かります」とやり返され、もう一度、球場がドッと沸いた。

 先制劇も2人の“コンビ”から生まれた。4回無死一、二塁から福留がセーフティーバントを敢行。ファウルにはなっても何とか走者を進めようという姿勢を示し、最終的に二ゴロで二、三塁の好機が整った。中谷の三振後、鳥谷が九里のフォークを右前にはじき返し、4番の献身を先制の2得点につなげた。

 「福留さんがセーフティーをしたり、そういうのがあったんで、何とか走者を還そうという気持ちがより強くなった」

 6回は1死二、三塁からの中前2点打で九里をKO。1試合5打点は、6打点を挙げた昨年4月22日の広島戦(マツダ)以来の荒稼ぎだ。甲子園球場での広島3連戦3連勝は鳥谷も出場した06年9月26〜28日以来、実に11年ぶりとなった。

 攻守両面で本来の姿を見失い、最大の試練に直面した昨季。悩めば悩むほど深みにはまり、周囲の声が耳に突き刺さった。雑音を気にしない方法を求め、啓発本に手を伸ばしたこともあった。主将を福留に託し、ゼロから再出発した14年目。打率・311は昨季とは明らかに違う。

 ただ、金本監督が求める姿はもっと高い。「数字は残っているけど、彼らしい打撃はまだまだ出来ていないと思っている。そういう意味では、今日は2本とも良いヒットを打って。本人が一番スカッとしたんじゃないかなと思う」。もちろん、それができると信じているからこそ。背番号1の逆襲は始まったばかりだ。(山添 晴治)

 ≪5打点以上は通算6度目≫鳥谷(神)が4回決勝となる先制2点適時安打を含む2安打5打点。自身1試合5打点以上は昨年4月22日広島戦(6打点)以来通算6度目。勝利打点を含んだケースは08年9月17日の中日戦、前記広島戦に次いで3度目。

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