菅野「やってみたかった」1―0完封 G日本人では上原以来

[ 2017年4月26日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人1―0広島 ( 2017年4月25日    マツダ )

<広・巨>4安打完封勝利を挙げ、ガッツポーズで雄叫びを上げる菅野
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 これぞ、エースだ!巨人・菅野智之投手(27)が25日、広島との首位決戦に先発し、9回を4安打無失点で開幕3連勝。11日の対戦で5失点KOされた昨季のリーグ王者に対し、フォークを交えた新たな配球でリベンジした。18日のヤクルト戦(熊本)から2試合連続完封で、「1―0完封」は自身初、球団の日本人投手でも2005年の上原浩治以来12年ぶりの快挙。チームは首位に0・5ゲーム差と肉薄し、26日も勝利すれば、7日以来19日ぶりの単独首位に立つ。

 菅野には確信があった。1―0の8回2死一、二塁。マウンドに駆け寄った女房役の小林に伝えた。

 「迷わず内に突っ込むぞ」。迎える打者は菊池だ。初球打ちを得意とするが、「今日の菊池はインサイドに張っていても、強くはじき返すことはできない。詰まらせることができる」と見極めた。内角高めにワンシームを投げ込み、三直。最大のピンチを切り抜け、右拳を振った。

 9回はきっちりと3者凡退に抑え、2年連続2度目となる自身2試合連続完封勝利。球団の日本人では05年の上原以来、12年ぶりの「1―0完封」だ。11日の広島戦(東京ドーム)は6回途中5失点。菊池に3安打を浴びた。投手陣全体でも前回3連戦は計29失点。「本当に情けなかった」。エースは奮い立ち、「(3連戦の)初戦を1―0で獲れて良かった。(1―0完封は)やってみたかった目標の一つ」とリベンジを喜んだ。

 2週間前と違った。前回対戦では125球中4球しか投じなかったフォークを、計15球に増やした。前回許した7安打の内訳は直球4球、ワンシーム1球、カットボール2球だった。横変化だけでは好調な打線につかまる。広島用に縦変化を織り交ぜた。「フォークを有効的に使えたので、相当意識はあったと思う」と菅野。小林も「フォークが良ければ、真っすぐもスライダーも生きる」と球数も116球に抑えた。

 WBCでもそうだった。米国との準決勝2日前だ。メジャー軍団との決戦を前に、ブルペンでフォークを「解禁」し、6回3安打1失点の好投。米国で対面した上原からも「自分のボールを信じて、勝負すれば大丈夫」と激励を受けた。背番号19の後継者が、先輩の「1―0完封」に続いた。

 首位決戦となった広島3連戦の頭を獲ってついに0・5ゲーム差。高橋監督は「智之の力で前回3つ負けた勢いを変えてくれた。ナイスピッチングというか、それ以上言うことはない」と賛辞を贈った。菅野には鉄の意志があった。「前回悔しい思いをしたので、相当強い気持ちを込めてマウンドに上がった。チームにとってもいい1勝だったと思う」。同じ轍(てつ)は二度と踏まないから、エースと呼ばれる。(神田 佑)

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