“外れの外れ1位”ハマの浜ちゃん 釣ったプロ1勝 左足つる直前まで熱投

[ 2017年4月10日 07:24 ]

セ・リーグ   DeNA2―1中日 ( 2017年4月9日    ナゴヤドーム )

<中・D>プロ初勝利を挙げウイニングボールを手にラミレス監督(右)に祝福される浜口
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 ハマのハマちゃんが勝ちました。DeNAのドラフト1位・浜口遥大投手(22=神奈川大)は9日、中日戦に先発し、6回1/3を7安打1失点に抑えてプロ初勝利を挙げた。左ふくらはぎがつって降板したが116球の熱投。最速150キロの直球で押す力の投球で6三振を奪った。開幕ローテーション入りした即戦力左腕は2度目の登板で結果を残し、新人では4人目の白星を挙げた。

 極限まで力を出した。2―1の7回1死二塁。浜口は初球を投げた後、左足をかばうしぐさを見せた。それでも投げ、144キロ直球で追い込む。ここで左ふくらはぎがつり降板。悔しそうにベンチに下がった。

 「中継ぎ陣が最近かなり投げているので、自分がいけるところまでいって休ませたかった」。プロ初登板した2日のヤクルト戦(神宮)では5回4失点で降板し、中継ぎに負担をかけた。2度目の先発では116球を投げ、6回1/3を7安打1失点(自責0)。先発の役割を果たしたプロ初勝利に「ホッとした。凄くうれしい」と振り返った。

 最も自信のある直球に勢いがあった。最速はプロ入り初の150キロを計測。1点ビハインドの4回には1死満塁のピンチを背負ったが、「粘って投げていれば、必ず逆転してくれる」とチェンジアップで2者連続三振を奪い、6回の梶谷の逆転2ランを呼び込んだ。

 最速で151キロを誇る直球は、神奈川大時代に努力で手に入れた。2年時の公式戦。登板前にブルペンに入った浜口は自分のボールに納得がいかず、150球近く投げ込んだ。その日は試合でも100球を超える球数を投げた。走るのは得意ではなかったが、ブルペンで投げるのは好きだった。周りに止められるまで投げ続けた日々。入学時に最速141キロだった球速は10キロもアップした。ラミレス監督も「スタミナは彼の長所。力強い投球だった」と称えた。

 左腕の先輩である石田と今永に恩返しがしたかった。オープン戦中、投球フォームに違和感を覚えた際、今永に相談した。横浜スタジアムから寮まで助手席に乗せて帰ってくれる優しい先輩に「腕を体の近くを通すことを意識して」と助言をもらった。ここから「感覚が良くなった」と感謝する。前日には石田が7回1失点の好投。ナゴヤドームのマウンドや、中日の打者の特徴を聞き、この日の好投につなげた。

 「父と兄2人が見にきていたので、渡したい」。浜口はウイニングボールを握りしめ、家族にも感謝した。昨秋ドラフトでは明大・柳(中日)、さらに桜美林大・佐々木(ロッテ)の抽選を外したDeNAから指名された。「外れの外れ」の1位でも即戦力としての実力を発揮。負ければ最下位転落という危機を救った新人左腕は「これからも自分の投球をしてチームに貢献したい」と声を弾ませた。(中村 文香)

 ≪14年以来開幕3カードで4人≫浜口(D)がプロ初勝利。今季新人の勝利は高梨(楽)、佐々木(ロ)、加藤(広)に次ぎ4人目。開幕3カード目までに合計4人以上の新人が初勝利は、14年九里(広)、岩崎(神)、吉原、石川(ともにロ)以来だ。また、DeNAの新人が開幕3カード目までに初勝利は、横浜時代の00年開幕戦の木塚敦志以来。左腕では洋松時代の53年権藤正利、大洋時代の58年鈴木隆が2カード目に勝ったのに次ぎ59年ぶり3人目となった。

 ≪浜口 遥大(はまぐち・はるひろ)≫

 ★生まれ 1995年(平7)3月16日、佐賀県生まれの22歳。

 ★球歴 若基小1年から野球を始める。三養基(みやき)高では甲子園出場なし。神奈川大では1年春から主戦を務め全日本大学選手権で2年時に準優勝、3年時はベスト4で最優秀投手賞に輝いた。リーグ通算42試合に登板し17勝14敗、防御率2.01。

 ★投打とサイズ 左投げ左打ち、1メートル73、80キロ。

 ★ニックネーム ラミレス監督命名「ハマのハマちゃん」。

 ★癒やしグッズ オレンジ色のハンモック。入寮時に持参。

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