“1勝”忘れない!移籍初登板の岸で楽天新開幕3カード連続勝ち越し

[ 2017年4月10日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天4―1ロッテ ( 2017年4月9日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>雨の中、6回1失点で移籍後初登板初勝利を挙げた岸
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 祈りが通じた。試合開始前から降り続く雨。楽天・岸は「雨で試合が流れないでくれと、ずっと思っていた」と振り返る。3―0の5回で試合は成立。6回2死から鈴木に初失点となるソロを浴びても動じることはない。続くダフィーを空振り三振に仕留め、6回1失点でお役御免となった。

 「とにかく試合で早く投げたかった。(勝てて)ホッとしました」。開幕投手をインフルエンザで回避。迎えた移籍後初登板で、汚名を返上する今季初勝利を挙げた。

 ZOZOマリンは西武時代の14年5月2日のロッテ戦でノーヒットノーランを達成した縁起の良い球場だった。「雨が降っていると、いろいろと考えてしまうが、6回まで集中力が続いてくれた」。初回、チェンジアップを投じたときに右手親指を切って流血するアクシデントもあったが、2死一、三塁のピンチを切り抜け、波に乗った。

 西武時代の15年も左脇腹痛で開幕投手を回避。昨季もシーズン序盤に右内転筋を痛めて離脱した。移籍初年度。開幕前のテーマはケガをしないことだった。オフにはヤンキース・田中やサッカーJ2横浜FCの三浦らが使用する東京西川のマットレス「AiR」や枕などを入手。久米島キャンプや遠征に持ち込んだ。調整方法も変えた。球団側は調整を任せようとしたが、故障がちだった岸は「楽天のやり方」を希望。体のバランスを整えるために行うマット運動や、利き腕とは逆の左腕で行うキャッチボールなど積極的に取り入れた。

 それでも病には勝てない。3月24日、全身を筋肉痛のような痛みが襲う。診断はインフルエンザB型。「ウソだろ…」。出身地の仙台を本拠とする楽天にFA移籍し、任された開幕投手。地元ファンの期待の大きさは分かっていた。「凄く投げたかったので悔しかった」。だからこそ負けるわけにはいかない。首位を走るチームに球団史上初となる開幕から3カード連続勝ち越しをもたらした。

 「またチームに貢献できるように。次も頑張ります」。つまずいた開幕の借りは1年間を通して返していくつもりだ。 (黒野 有仁)

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