阪神・上本「ビックリ」V弾 「オレたちは今年が勝負」鳥谷先輩との誓い

[ 2017年4月10日 09:20 ]

セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2017年4月9日    甲子園 )

<神・巨>8回無死、上本は勝ち越しとなる左越えソロを放つ
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 勝負を決める一発は、唐突に生まれた。3―3の8回、先頭で打席に入った阪神・上本はいつものように塁に出ることだけを考えていた。ソフトバンクからFA移籍した過去2打数無安打の左腕・森福に対し、1ボール1ストライクからのスライダーを思い切り振り抜き、必死の全力疾走。値千金の決勝弾が左翼スタンドに飛び込んだのに気付いたのは、一塁ベースを回ってからだった。

 「ホントにまさかと思ってビックリしました。何が起こったのか分からない感じで、試合が終わってから本塁打を打ったんだなと。打って、走っていたら入っていた」

 8戦目で飛び出した今季1号は昨年9月22日の広島戦以来、通算20号。ともにお立ち台に上がった北條から「神様みたいな先輩」と表現された2番打者が、宿敵を沈める大仕事をやってのけた。

 直前の6回無死一塁の第3打席で送りバントを失敗(記録は投ゴロ)していたが、引きずることなく即座に取り返した。「チームとして悪い時も引きずらずにやろうとしている。引きずることもあるけど、その中でも結果を出さないと」。感情を表に出さず黙々とプレーするタイプ。内に秘めた強い気持ちでミスを挽回し一打を、金本監督からも絶賛された。

 「体は小さいけど、すごいパンチのある選手。うまいこと打ってくれないかな、でも(本塁打は)ないだろうなと思っていましたけど。まさかというか…。バントは高い確率で決めてほしいけど(失敗を)引きずらず、逆に“取り返すぞ”という気持ちでね。これからもそういう気持ちでやってほしい」

 昨季は45試合出場に終わり背番号は新人時代の「4」から「00」に変わった。「背番号で野球をやるわけじゃないんで」と話すが、置かれている立場は理解している。春季キャンプ前には同様に昨季不振だった早大の先輩でもある鳥谷から「オレたちは今年が勝負だぞ」と声をかけられ、巻き返しを誓い合った。ともに、ここまで全試合に先発出場。若虎の台頭に“待った”をかける活躍で、チームを活性化させている。(山添 晴治)

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2017年4月10日のニュース