オリ岸田 勝負の年「やれることは何でも」投球フォーム、肉体改造、シュート解禁…

[ 2017年1月17日 10:00 ]

オリックス・岸田護
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 完全復活へ、試行錯誤を繰り返している。8年ぶりに先発再転向するオリックス・岸田護投手(35)が勝負の一年を見据え、懸命に模索する。

 「やれることは、どんなことでも。何でもね。ワインドアップにしようか、セットポジションなのかとか。(阪神・藤川)球児さんにも、いろいろ聞きたいんだけど、なかなか機会がないから難しいかもしれないけど」

 昨季、先発に挑戦した藤川は当初、ワインドアップでマウンドに上がった。右投手の場合、まずは真っすぐ立ってから左足を下げるのが通例だが、藤川はスムーズな体重移動ができるとされるメジャーで主流の右足を前に出すスタイルを選んだ。その後も、制球力の向上や見抜かれつつあったと言われる“クセ”を解消するため、セットポジションに変更するなど模索。同じ境遇を経験した先輩の言葉はプラスになるはずで、岸田は貪欲に吸収する構えだ。

 肉体改造にも目を向ける。昨季は春先からの右肩痛の影響で、16試合で防御率7・90に沈んだ。昨秋から、50歳まで現役だった元中日の山本昌氏、マーリンズ・イチローも取り組んでいる「初動負荷トレーニング」を採用した。「投げる時の指先にかかる感覚が全然違うんですよね。前はこんな感じだったなって久しぶりに感じることができた」と手応えを口にする。

 全身をバネのようにしならせて躍動するのが本来のスタイル。「足首とかグニャグニャで、捻挫しやすいくらい。柔らかいというか、もう間接が緩いんだよね。生まれつきなんだけど」。こう本人も語るほど柔軟な体を、これまでは有効活用できていた。しかし、加齢による柔軟性の低下から本来のパフォーマンスを発揮できない事態に陥った。その状態で、強いボールを投げようとしたことで無理がたたり、故障の要因となっていた。

 7年ぶりのシュート解禁も覚悟の表れ。10年途中、中継ぎ転向した際に当時の岡田監督の指導方針や直球勝負を求められる救援機会が増えたことで、シュートは一時封印していた。「右打者の内側を突くイメージ。球種で言えば、あとは持ち球のチェンジアップ。他にもフォークみたいに少し落ちるボールというのも考えている」。球数節約への武器とする構えだ。

 「しっかり1年間ローテを守ることが目標。1年やることができれば、数字もついてくると思うんで。今年はT(―岡田)や安達らの世代のチーム。そこに、しっかりと戦力として力になって、優勝したいよね」。06年の入団後、主に先発を務め、09年には2桁10勝を挙げた実績の持ち主。オリックス一筋の12年目右腕が36歳シーズンに挑む。(記者コラム・湯澤 涼)

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