【球団トップに聞く】ロッテ・山室晋也社長「自由に発想できるのが球団文化」

[ 2017年1月17日 10:00 ]

球団トップに聞く!ロッテ・山室晋也球団社長(下)

ロッテの山室晋也球団社長
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 元銀行マンで自らを「野球素人」と言う山室社長が、球団内に自由な発想を生んでいる。例えば交流戦恒例の「挑発ポスター」。昨季は「非交流戦士 マジワラン」というロボットをデザインし、巨人戦では「勝ち星だけはロッテにクルーズ!」と敵軍に移籍した助っ人を挑発した。14年オフにはヤクルトにFA移籍した成瀬の人的補償ならぬ「鳥的補償」でマスコットの「つば九郎」を指名して物議を醸した。山室社長は「一歩間違えたら叩かれる。ヤクルトファンからもクレームが来た。苦情の電話が鳴ることもしょっちゅうだけど、自由な発想ができるのは球団の文化」と笑顔で言った。

 夢は尽きない。ロッテだけにZOZOマリンを「お菓子の球場」にして、「トッポ」のように塗り替えた両翼ポールに「コアラのマーチ」のコアラがしがみついている。浜辺に隣接する球場の右翼壁をぶち抜いて海が見える球場にする。大リーグの球場の視察を重ねた社長が本気で語ったアイデアだ。「千葉ロッテっていうので、千葉県っていえばロッテだねと言われたい。広島といえばカープとみんなイメージする。そういう球団になりたい。千葉に生まれてロッテを応援するのが当たり前の状況をつくりだしていく」。子供たちの球場招待や野球教室などにも力を入れている。

 球団社長として難しいことは何か、聞いてみた。「事業サイドは自信あるけど、チーム強化は難しい。実績のある経験者でも正しい答えはない中で、ましてや野球経験者ではない私。結論は出ない」と即答。球団はFA補強にもほとんど参戦しない。「生え抜き選手で3、4年後のスターを育てたい。補強は生え抜き選手のチャンスを奪うことになりかねないわけで、補強ありきでやっていくつもりはない」と話す。鈴木、石川、角中ら、生え抜き選手が着実にスターへの階段を上っている。今月5日の仕事始め。2年連続3位から1位に上り詰めるという決意を込めて、社長自ら音頭を取り「3・3・1・ダー!!」と全職員が拳を突き上げた。球団事務所が一体感に包まれた。 (渡辺 剛太)

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2017年1月17日のニュース