伊東監督 大先輩・川上さん&恩師・広岡さんに感謝

[ 2017年1月17日 05:30 ]

星野氏、平松氏、伊東氏 野球殿堂入り

祝辞のあいさつを行った村田兆治氏(右)と握手する伊東勤氏
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 殿堂入りの候補になって9年目。伊東監督が野球人として最高の栄誉を手にした。1500試合以上に出場した捕手では野村克也氏、森祇晶氏、古田敦也氏に次いで4人目。「自分には縁がないと思っていた。まさかという気持ち。野球を一生懸命やってきてよかった」と喜びをかみしめた。

 西武一筋で22年間プレーしたが、プロ野球の礎を築いた巨人の9連覇の継承者だ。「ジャイアンツOBに指導を受け、V9野球の血が流れている」。現役時代は広岡監督、森監督に師事。日本シリーズ14度出場に貢献し、8度の日本一に輝いた。

 熊本工の大先輩でもある「打撃の神様」の川上哲治氏にも影響を受けた。「高校時代にお話をさせてもらったことがある。西武の監督になった時には、直筆のお手紙も頂いた」。宝物にしている便箋には「監督業は大変だから、体にはくれぐれも気をつけるように。奥さんも大事にしなさい」と書かれていた。

 「自分の原点」と話すように、プロ入りした時の指揮官だった広岡氏にはプロで生きていく基礎を学んだ。ロッテ監督就任後は電話で「昔と今では選手の気質も違う。大変だろうけど、頑張れよ」と激励も受けた。

 「恩師の人たちに少しでも近づくことができたのであれば光栄。いろいろな局面を経験させてもらった。経験だけは他の人に負けないので、次の世代に伝えていきたい」。昨年は故郷・熊本が被災。野球界への恩返しに加え、「この殿堂入りで少しは喜んで、励みになってくれれば」と郷里への思いも口にした。 (重光 晋太郎)

 ◆伊東 勤(いとう・つとむ)1962年(昭37)8月29日、熊本県熊本市生まれの54歳。熊本工から所沢に転校し、81年ドラフト1位で西武入団。長く正捕手を務め、リーグ優勝を14度、日本一を8度経験。ベストナインを10度、ゴールデングラブ賞を11度受賞。引退直後の04〜07年に西武監督を務め、04年に日本一に輝き正力賞受賞。09年WBC日本代表コーチ、12年韓国・斗山コーチを歴任し、13年からロッテ監督。右投げ右打ち。

 ▼広岡達朗氏(西武入団時の監督)教え子が殿堂入りするのは正直うれしい。努力でポジションを獲った男。座って投げる捕手もいるけど、一球一球立ち上がって投手にいい球を返していた。僕好みの捕手。僕が巨人でやってきた正々堂々戦う野球を受け継いで、監督として大成してもらいたい。

 ▼村田兆治氏(ロッテOB、現役時代はライバル)分析力、判断力、決断力がある。かつてはライバルとして戦ったが、本当はバッテリーを組みたかった。ロッテが優勝して、日本一になることが彼の責務だと思って応援している。

 ▼ソフトバンク工藤監督(現役時代の同僚)強い西武の時代の選手が、また一人殿堂入りされることとなり、うれしく思います。配球の大事さ、勉強の必要性を感じることができたのも伊東さんのおかげです。

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