巨人移籍の陽岱鋼 目指すは自身初3割で〜す!「サンキューで〜す」は封印

[ 2017年1月13日 05:30 ]

ノックを受ける陽岱鋼
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 目指すは初のサンワリでーす!日本ハムからFA移籍した巨人・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(29)が12日、移籍後初めて川崎市のジャイアンツ球場を訪れ自主トレを公開した。初打ちは基本に立ち返り、最初に入念なバント練習。自慢の足でバント安打を増やし、未経験の打率3割を達成する目標を掲げた。当面は「サンキューでーす」のパフォーマンスを封印。巨人軍で紳士な姿勢を見せる。

 黙々と球を転がす。マシン相手に今年初の打撃練習。テレビカメラ7台、報道陣約60人の視線が集まる中、陽岱鋼は入念にバント練習を続けた。

 「まずはバットに当てること。足があるので内野安打でも、どんな形でもヒットになればいい。焦りはあるけど、マイペースにいきたい」

 30分の「初打ち」で、冒頭5分以上もバント練習に費やした。通算942安打のうちバント安打はわずか4本。13年以降はゼロで、昨季は犠打数でさえ7だった。意識するのは、過去11年間で未体験の領域だ。「3割をクリアできたら、もっと高いレベルの打撃が見えてくる」。通算134盗塁の快足を生かし、バント安打が増えれば、壁の向こう側が見えてくる。

 プロ野球の父・正力松太郎の「巨人軍は常に紳士たれ」という遺訓が血脈となっている名門球団に、5年総額15億円以上の条件で移籍。「(巨人の)Gのマークが胸にあるので、自覚を持って練習をやっていかないといけない」と気持ちを新たに臨む。「ジャイアンツに来て、僕は1年生。野球はバントが大事だと思っている」。進化への意欲とともに、「紳士」が備えておくべき自己犠牲の精神を、登場初日から練習の中に込めた。

 日本ハム時代は金髪や長髪の時期もあったが、黒髪で11日に台湾から戻ってきた。日本ハム時代にお立ち台で見せてきた「サンキューでーす」のパフォーマンスも「まずは結果を出さないといけないので」と当面は封印する意向。セ・リーグの投手攻略に向け「(坂本)勇人や、阿部さん、亀井さんらいろんな先輩がいる。話を聞いて吸収したい」と口にした。

 中身は紳士。だが、台湾のスーパースターぶりも発揮した。ど派手な上下赤のジャージーを脱ぐと、白のシャツには「CR7」のロゴ=写真。競技を問わず日米欧のトップアスリートに注目する男が、中でも愛するサッカーのポルトガル代表、C・ロナウドのモデルだった。球場には早くも「加油(頑張れ)」と中国語で応援するプラカードを持参するファンも現れた。

 「プロに入ってこんなにたくさんのマスコミの方がいるのは初めて。緊張した」。その言葉とは裏腹に、ハリウッドスターのようなサングラスにロング丈のニットで球場を後にする姿は、オーラに包まれていた。 (神田 佑)

 ≪成功率は6・7%≫陽岱鋼(巨)のバント安打は通算4本あるが、うち3本は送りバントが安打になったもの。無走者でのセーフティーバント安打は、日本ハム時代の12年5月8日ロッテ戦で決めた三塁内野安打の1本。なお、セーフティーバントを15度試みており、成功率は6・7%になる。

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