移籍即アニキ指令 糸井よ、トリプルスリー狙え!

[ 2016年11月22日 05:30 ]

糸井はFAで阪神入りが決まりオリックス選手会納会にすがすがしい表情で登場する
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 阪神は21日、オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した糸井嘉男外野手(35)の獲得を発表した。4年総額18億円以上の大型契約で、背番号は今季まで西岡剛内野手(32)がつけていた「7」が決定的。熱い言葉で糸井を口説き落とした金本知憲監督(48)は、トリプルスリーを達成して12年ぶりのリーグ制覇の使者になることを期待した。

 阪神入りを表明した夜、糸井は兵庫県神戸市内の有馬温泉にいた。オリックスの選手納会に出席し浴衣姿で対応。「この格好で?」と笑う表情は吹っ切れたようだった。

 「新しい挑戦をさせていただきたいという連絡を(オリックスと阪神に)した」。3球団目は自身初のセ・リーグ。不安はあるが「それも考えたけど、やっぱり、うん。チャレンジして、自分を奮い立たせてやってみようという気持ちです」。去るチームの納会出席には「迷いましたが、しっかり顔を見てあいさつしようと」と筋を通した。

 悩み抜いた10日間。決断の決め手は金本監督の熱意だった。「“勝つために必要や”と言われたので、やりがいを感じた。さらにやらなあかんな、という気持ち」。初交渉の11日。秋季キャンプを休んでまで駆け付けた金本監督からの「初めての恋人や」という口説き文句に大きく心が動いた。翌12日以降、毎日のように電話交渉を重ねた末に決断。この日午前中にオリックス・長村裕之球団本部長と会って断りを入れ、午後1時ごろに阪神側へ「よろしくお願いします」と伝えた。

 金本監督は、西宮市内で行われたゴルフコンペ「第15回タイガース杯」のラウンド中に吉報を受けた。「優勝するために来てもらったんだし、そこを目標でね。甲子園球場が似合いそうな選手だし、どんどん中心となってチームを引っ張っていってほしい」。重ね合わせたのは、広島からFA移籍した阪神1年目、03年のリーグ優勝に貢献した自身の姿だった。

 「俺も(阪神に)来る時に何回も言ったけど、一人で10試合くらい決勝打、逆転打を打って勝てば(勝ち数が)10違う。(勝ち負けの)上下なら20違う。そうすれば5割のチームが貯金20になる。凄く大きい」。自身が広島時代の00年に達成したトリプルスリーの可能性についても「十二分に持っていると思う。狙えるものは狙ってほしい」と言葉に熱を込めた。

 糸井が口にした「挑戦」は、来季の阪神のスローガン「挑む」とも重なる。「タイガースファンの方々には早くチームの一員として応援してもらえるよう、また一緒に金本監督を男にできるよう、全力プレーでトップを目指していきます」。三拍子を兼ね備えたベテランが甲子園で暴れ回る。

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2016年11月22日のニュース